カナダ放送協会

カナダ放送協会（CBC）

カナダ放送協会（CBC）は、カナダの公共放送局として、テレビとラジオを一体的に運営し、全国的な放送ネットワークを形成しています。1936年に設立されたCBCは、カナダの文化や情報を国内外に発信する役割を担っています。CBCのコーポレートブランドとしては「CBC/Radio-Canada」があり、フランス語圏のリスナーにも親しまれています。

仕組みと財源

CBCは公共機関でありながら、広告収入も許可されているため、受信料制度は採用していません。CBCの財源は主に政府からの補助金によるもので、全体の約70％を占めています。一方、広告収入は全体の約30％にあたります。これにより、国の文化や価値観を反映する多様な放送内容が維持されています。

沿革

CBCの歴史は1923年にさかのぼります。当初はカナディアン・ナショナル鉄道が運営していたラジオ局から始まりましたが、1930年代には公共放送網の設立が提言されます。そして1932年にはカナダラジオ放送委員会（CRBC）が設立され、後にこれを基にCBCが形成されました。
1936年には現在のCBCとして再編され、イギリスの公共放送スタイルを模範にし、フランス語の放送網も設立されました。

1940年代には、海外派遣のカナダ軍向けに短波放送を開始し、その後「Voice of Canada」として国際的な放送も行うようになりました。また、1952年にはテレビ放送がスタートし、1958年に放送法律が改正され、CBCが放送事業者としての活動に専念する道が開かれました。

1960年代にはカラーテレビ放送が始まり、さらに1970年には国際放送の名称を「ラジオカナダ・インターナショナル」に改称しました。1991年には新しい放送法が制定され、CBCの役割や経営体制が明確化されました。1996年にはインターネットを通じたウェブサイトの運営も開始し、デジタル時代に対応しています。

2023年には、CBCの公式Twitterアカウントに「政府出資メディア」のラベルが付与され、これを受けて一時的にTwitterの利用を停止することが発表されるなど、メディアとしての位置づけが変動しています。

チャンネル構成

CBCは英語とフランス語の両方で放送を行っており、地上波テレビチャンネルはそれぞれ一つずつ、ケーブルテレビでは合計3つのチャンネルが存在します。ラジオに関しては、英語の放送が「CBC Radio One」と「CBC Radio Two」に分かれ、フランス語の放送も同様に「Première Chaîne」と「Espace musique」が設けられています。
特に、ニュース番組や教育番組を重視し、国内外の様々な出来事を報道しています。

国際放送

CBCはかつて日本向けに特徴的な国際放送を行っていましたが、1991年には予算削減のために日本語放送を終了しました。その他にも、オリンピックの放映権を長年保有していましたが、近年では民間放送への移行が見られます。特に、2014年のソチオリンピックからは再び放映権を取得するなど、競争が進む中での存在感を示しています。

結論

カナダ放送協会は、国民に向けて文化や情報を伝える重要な役割を果たしています。公共放送としての特性を持ちながら、広告収入も取り入れ、多様なサービスを展開し続けています。これからもカナダの声として国内外に広く知れ渡る存在であり続けるでしょう。

もう一度検索