カノニカル

カノニカル（Canonical Ltd.）

カノニカルは、マーク・シャトルワースによって設立された企業で、Ubuntuの開発とサポートを主な事業としています。もともとはMRSバーチャルデベロップメントという社名でしたが、現在はカノニカルとして知られています。Ubuntuの普及と発展に貢献しており、世界中の開発者コミュニティから高い評価を得ています。

事業内容

カノニカルは、Ubuntuのサポートやトレーニングプログラムを有償で提供することで収益を上げています。また、開発者やコミュニティリーダーをUbuntuプロジェクトに積極的に参加させることで、Ubuntuの継続的な開発を促進しています。Ubuntuに関連するソフトウェアの開発やサポートも行っており、その技術力は業界でも高く評価されています。

主な製品とサービス

カノニカルは、フリーオープンソースソフトウェア（FOSS）の開発を推進しており、様々なプロジェクトを立ち上げ、支援しています。以下は、その主なものです。

Ubuntu: UnityやGNOMEデスクトップ環境を搭載したDebianベースのLinuxディストリビューションです。デスクトップPCからサーバー、クラウド環境まで幅広く利用されています。
Bazaar: 分散型バージョン管理システムです。複数の開発者が同時に作業を行う場合に役立ちます。
Storm: Python向けのオブジェクト関係マッピングツールで、Launchpadのコードベースの一部として活用されています。
Upstart: 非同期なプロセス開始処理を特徴とするinitの代替ツールです。システムの起動と管理を効率化します。
Quickly: Linux向けのソフトウェア開発フレームワークです。GUIアプリケーションなどを容易に作成できます。
Snap: Linuxディストリビューションに依存しないパッケージ管理システムです。ソフトウェアのインストールと管理を簡素化します。
Launchpad: フリーソフトウェアプロジェクトの共同開発を支援するWebアプリケーションです。バグ追跡、翻訳、コードホスティングなどの機能を提供します。
Rosetta: ソフトウェアのローカライズを支援するオンライン翻訳ツールです。多言語対応を効率的に行うことができます。
Malone: 他のバグ追跡システムとの連携も可能なバグ追跡システムです。開発におけるバグ管理を円滑にします。
Soyuz: KubuntuやXubuntuのようなカスタムディストリビューションを作成するためのツールです。
Code: Bazaarを使ったソースコードホスティングサービスです。
Answers: コミュニティサポートサイトと知識ベースを提供しています。ユーザー間の情報共有を促進します。
Bluepoints: 仕様や新機能をトラッキングするためのツールです。開発プロジェクトの進捗状況を把握できます。
PPA: ユーザーがソフトウェアリポジトリを公開できるシステムです。
Landscape: Ubuntuシステムの管理を行うためのWebサービスです。

過去にはオンラインストレージ・ファイル共有サービスの「Ubuntu One」も提供していましたが、2014年7月にサービスを終了しました。

また、カノニカルはLinaroに対して開発資源の一部を投資しており、組み込みシステム分野にも貢献しています。

グローバル展開

カノニカルは、30カ国以上でスタッフを雇用しており、世界各地にオフィスを構えています。主なオフィスは、ロンドン、オースティン、ボストン、上海、北京、台北、マン島、東京などにあります。グローバルな展開によって、世界中のユーザーにUbuntuの技術とサービスを提供しています。

子会社

カノニカルは、以下の地域に子会社を設立し、事業を推進しています。

Canonical Group Ltd（ロンドン）
Canonical USA Inc.（レキシントン）
Canonical China Ltd（上海）
Canonical Brasil Ltd（サンパウロ）
Canonical Canada Ltd（モントリオール）
Canonical Ltd Taiwan Br.（台北市）
Canonical Japan株式会社（東京都）

カノニカルは、オープンソースソフトウェアの発展とUbuntuの普及に貢献し、世界中のテクノロジーコミュニティに大きな影響を与えています。

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