カミロ・パスカル

カミロ・アルベルト・パスカル・ルス

カミロ・アルベルト・パスカル・ルス（Camilo Alberto Pascual Lus）は、1934年1月20日にキューバのハバナ州ハバナで誕生した元プロ野球選手です。ポジションは投手で、右投げ右打ちというスタイルを持ち、彼は愛称を「リトル・ポテト」と呼ばれ親しまれました。彼の兄であるカルロス・パスカルもまた、メジャーリーグベースボール（MLB）での経験を持っています。

経歴

1951年、17歳の若さでハバナを離れ、マイナーリーグのチームに所属し野球キャリアをスタートさせました。その後、1952-1953シーズンから1960-1961シーズンにかけて、キューバ国内リーグである「リーガ・クバーナ・デ・ベイスボル」でプレーしました。特に1955-1956シーズンには、エレファンテス・デ・シエンフエーゴスのエース投手として活躍し、チームをカリビアンシリーズ初優勝へと導きました。このシーズンでは、リーグMVPにも輝くなど、その才能を大いに発揮しました。

1954年4月15日には、MLBでのデビューを果たしました。ワシントン・セネタースとしての初登板では、ボストン・レッドソックス戦で無失点と見事な投球を披露し、その後数年間は制球の安定を欠くものの、徐々に四球を減らしていきました。1959年にはオールスターゲームに選出され、238.2イニングを投げ、防御率2.64、185奪三振という成績を残しました。

パスカルの投球スタイルは、彼のカーブが特に効果的であると称賛され、テッド・ウィリアムズは「アメリカンリーグで最も恐れられた投手」と語っています。彼は1961年から1963年まで3年連続で最多奪三振を獲得し、パスカルの名は次第に知られるようになりました。

1965年には、ミネソタ・ツインズが102勝という球団記録を達成し、リーグ優勝を果たしましたが、パスカルはシーズン後半に腕の故障に苦しみ、ワールドシリーズでも期待通りの活躍ができませんでした。1966年も故障からの回復に苦しみましたが、1967年には復調を果たし、12勝を挙げました。特に1968年は、201イニングを投げ、13勝、防御率2.69という素晴らしい成績を残しました。

しかし、1969年には再び難しいシーズンを迎え、与四球が増え、防御率も6点台に下がりました。同年7月にシンシナティ・レッズに移籍しますが、そこでの成績は芳しくなく、1970年にはロサンゼルス・ドジャースと契約するも8月に放出されました。1971年にはクリーブランド・インディアンスと契約しましたが、短期間の後に現役を引退しました。

引退後は、1980年までミネソタ・ツインズでコーチとして活動し、1983年にはキューバ野球殿堂に選ばれました。彼は現在、フロリダ州マイアミに在住し、1989年からラテンアメリカ担当のスカウトとしても活躍しています。オジー・カンセコやアレックス・コーラといった選手とも契約を結んでおり、彼の影響力は続いています。2012年、ツインズ野球殿堂にも名前が刻まれました。

プレースタイル

パスカルの投球スタイルは、初めはサイドスローでしたが、シエンフエーゴスでのコーチ、ドルフ・ルケの助言によりオーバースローに転換しました。彼の武器となる速く落ちるカーブは、変化球の中でも特に鋭いものであり、投球の約60%を占める速球と組み合わせることで、相手打者からの三振を奪っていました。彼は高めの速球を好むスタイルで、強力な投球が持ち味でした。このようなプレースタイルが、彼をメジャーのスタープレイヤーへと昇華させました。

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