カモガヤ

カモガヤ（Dactylis glomerata）

カモガヤは、イネ科カモガヤ属の多年草で、オーチャードグラスという英名でも知られています。ユーラシア原産で、日本では帰化植物として広く見られます。

名称の由来

和名の「カモガヤ（鴨茅）」は、英名の「cock's-foot grass」を翻訳する際に、「cock（ニワトリ）」を「duck（カモ）」と誤訳したことが由来とされています。また、「キヌイトソウ（絹糸草）」という別名もあります。

特徴

カモガヤは耐寒性が非常に強く、高さは1メートル前後にまで成長します。葉は幅広く、群生するのが特徴です。花期は5月から7月で、この時期に花粉を飛散させます。スギ花粉症のシーズンが終わった後に、カモガヤの花粉症を発症する人もいます。

利用

カモガヤは、チモシー（オオアワガエリ）と並んで、世界的に有名な牧草として利用されています。家畜の飼料として重要な役割を果たしており、栄養価も高いことで知られています。

また、水盤の中で綿や泥の上に種を蒔き、芽生えを楽しむこともあります。常緑芝としても利用されることがあります。

牧草として栽培する際には、整地した場所に種子を一面に蒔きます。播種後2年目には茎葉が繁茂し、年2〜3回の刈り取りが可能です。適切な時期に刈り取ったカモガヤの干し草は、7〜8%の粗タンパク質を含み、消化率も良好です。その他の成分や家畜の嗜好性もチモシーに劣りません。

日本には明治時代に導入され、現在では広く野生化しています。

カモガヤ属

カモガヤ属には、以下の種が含まれます。

カモガヤ（Dactylis glomerata）
Dactylis marina

注意点

カモガヤは、花粉症の原因となることがあります。花粉の飛散時期には、注意が必要です。

参考文献

平野隆久写真『野に咲く花』林弥栄監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、1989年、537頁。ISBN 4-635-07001-8。
木場英久・茨木靖・勝山輝男『イネ科ハンドブック』文一総合出版、2011年、37頁。ISBN 978-4-8299-1078-8。

関連項目

牧草
帰化植物
要注意外来生物

外部リンク

Dactylis glomerata L. - Integrated Taxonomic Information System （英語）
Dactylis glomerata - National Center for Biotechnology Information（NCBI） （英語）
Dactylis glomerata L. - Encyclopedia of Life （英語）
カモガヤ - 国立環境研究所侵入生物データベース
生態系被害防止外来種リスト：植物 - 環境省自然環境局野生生物課外来生物対策室
* カモガヤ - 植物雑学事典 - 岡山理科大学

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