カラガンダ

カラガンダ：歴史と多様性が息づくカザフスタンの主要都市

カラガンダは、カザフスタン共和国カラガンダ州の州都であり、同国で4番目に人口が多い都市です。その歴史は、強制収容所での過酷な労働と深い関わりがあります。ソ連時代には、ヴォルガ・ドイツ人がこの地に強制移住させられ、第二次世界大戦後には日本人捕虜も炭鉱労働に従事させられました。この歴史が、カラガンダの多文化的な側面を形作る一因となっています。

歴史

1940年代、カラガンダの人口の70%はドイツ系住民でした。これは、スターリン政権下でヴォルガ・ドイツ人がシベリアやカザフスタンに強制移住させられた結果です。第二次世界大戦終結後も彼らは抑留され、厳しい生活を強いられました。1989年から1999年にかけて、10万人を超えるドイツ系住民がドイツに帰還し、人口は14%も減少しました。

カラガンダという都市の名前は、この地域に自生する植物「オオムレスズメ」に由来します。都市は、強制収容所の人々を酷使して石炭を採掘するために生まれました。現在でも石炭産業は市の重要な産業であり、その歴史が現在にも影響を与えています。1990年代初頭にはカザフスタン共和国の首都候補にもなりましたが、最終的にはアスタナが選ばれました。初期のカラガンダの町は石炭を掘り尽くしたため放棄され、現在の市街はそこから南へ10kmほど移転しています。

第二次世界大戦後、カラガンダには第99収容地区（ラーゲリ）が設置され、シベリア抑留された日本人捕虜の一部が移送され、炭鉱労働に従事させられました。現在、カラガンダ郊外には収容所博物館が設けられており、当時の状況を伝えています。

民族構成

カザフスタンではカザフ人が多数派である都市が多いですが、カラガンダでは依然としてロシア人が多く、カザフ人とほぼ同数です。ドイツ系住民も多く、その他ポーランド人やチェチェン人も比較的多く居住しています。また、日本人抑留者の子孫もこの地に暮らしています。

気候

カラガンダは大陸性気候で、ケッペンの気候区分では亜寒帯湿潤気候（Dfb）に属しています。冬季は非常に寒く、-40℃を下回ることもあります。夏季は暑く、日中は30℃を超えることもあります。

著名な出身者

カラガンダは様々な分野で活躍する人物を輩出しています。

アスラン・マスハドフ：チェチェン独立派のかつての最高指導者。
ヌルケン・アブディロフ：スターリングラード攻防戦で活躍した空軍パイロット。
トクタル・アウバキロフ：カザフ人初の宇宙飛行士。
ゲンナジー・ゴロフキン：プロボクサー。元WBA・WBC・IBF世界ミドル級統一王者。
マクシム・ラコフ：男子柔道家。2009年世界柔道選手権大会男子100kg以下級優勝。

その他の情報

カラガンダ動物園
カラガンダ市電（廃止）
ヴォルガ・ドイツ人：カラガンダの歴史を語る上で欠かせない存在です。

カラガンダは、その歴史と多様な文化が共存する魅力的な都市です。過去の歴史を振り返りつつ、未来への発展を目指しています。

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