カラガンダ州

カラガンダ州：カザフスタン中央部の鉱物資源と広大な大地

カザフスタン共和国の中央部に位置するカラガンダ州は、17州を擁する同国において重要な地位を占める州の1つです。約24万平方キロメートルの広大な面積を誇り、その地形は主に平野と低山地帯から構成されています。最高標高も1565メートルと比較的低く、穏やかな起伏が特徴です。かつては隣接するジェスカスガン州を含んでいましたが、2022年のウルタウ州分離により現在の面積となっています。

地理と気候

カラガンダ州は、コスタナイ州、ウルタウ州、アクモラ州、パブロダール州、アバイ州、ジェティス州、ジャンブール州、テュルキスタン州といった複数の州に囲まれた内陸州です。大陸性気候が特徴的で、夏の暑さと冬の寒さが極端です。降水量は少なく、北部で年間250～300mm、南部では150～200mm程度しかありません。山間部でも最大400mm程度です。そのため、植生はステップや砂漠が大部分を占め、ベトパク・ダラ砂漠、カラ・クム砂漠なども州内に広がっています。一方、降水量の比較的多い山間部では、マツ、カバ、ハンなどの混合林も見られます。カルカラリ国立公園は、州東部の豊かな山林を保護しています。

歴史と人口

第二次世界大戦後、カラガンダ州には多くの強制収容所が設置され、シベリア抑留を受けた日本兵捕虜も数多く送られました。彼らは過酷な環境下で強制労働を強いられ、多くの犠牲者が出ました。この暗い歴史は、州の歴史に深く刻まれています。

2009年の国勢調査によると、人口は約134万1700人、人口密度は約3.1人/km²です。1999年と比較すると減少傾向が見られます。人口の約31.8%が州都カラガンダに集中しており、都市部人口は州全体のおよそ83.3%を占めます。民族構成はカザフ人とスラブ系（ロシア人、ウクライナ人など）がほぼ半数を占め、歴史的経緯からドイツ系住民も多いことが特徴です。

資源と産業

カラガンダ州は、カザフスタンにおけるマンガンの唯一の商業的生産地です。マンガン以外にも、モリブデン、タングステン、亜[[鉛]]、鉛、銅などの重要な鉱物資源が豊富に存在し、鉄や金の堆積型鉱床も確認されています。石炭、石油、天然ガスなどのエネルギー資源も産出されています。

工業は、鉄鋼生産が中心です。カザフスタン国内の鉄生産を全て担っており、マンガンをはじめとする鉄合[[金]]の原料も州内で産出されるため、鉄鋼産業の集積が著しいです。非鉄金属の生産や、化学工業、石油化学工業、機械工業なども盛んです。

農業は、穀物栽培と畜産が中心です。耕作地は全農地のわずか3.4%ですが、コムギなどの穀物生産が盛んで、カザフスタン全体の穀物生産の約4.6%を占めます。また、ウマの飼育が盛んで、カザフスタン国内の約1割を生産しています。ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ、ニワトリなども飼育されており、畜産物も重要な生産物となっています。

交通とエネルギー

州内の道路総延長は8893km、鉄道路線総延長は1811kmです。州都カラガンダは、主要な道路や鉄道網の結節点となっており、アスタナ、アルマトイ、バルハシ、ジェズカズガンなど主要都市と結ばれています。サリアルカ国際空港も州内にあります。イルティッシュ・カラガンダ・ジェズカズガン運河や、ロシア連邦への石油パイプラインも州内を通っています。

発電は、主に火力発電所が担っています。第2カラガンダ熱併給発電所、第3カラガンダ熱併給発電所、第2カラガンダ地区発電所、バルハシ火力熱併給発電所、ジェズカズガン熱併給発電所などが主要な発電所です。これらは、電力供給と同時に地域への熱供給も行っています。

まとめ

カラガンダ州は、豊かな鉱物資源、広大な農地、そして重要なインフラを備えたカザフスタンの中央部を代表する州です。複雑な歴史と多様な民族、独特の地理的特徴を併せ持ち、カザフスタンの発展に大きく貢献しています。今後の更なる発展が期待されます。

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