カラワオ郡 (ハワイ州)

カラワオ郡の概要

カラワオ郡（Kalawao County）は、アメリカ合衆国ハワイ州モロカイ島の北海岸に位置する小さな郡です。この地域はカラウパパ半島とも呼ばれ、海食崖から落ち込んだ独特の地形を有しています。カラワオ郡は高度約400メートル以上の崖の先にあるため、陸上交通手段は限られ、訪れるにはロバの道を利用する必要があります。そのため、この郡は不便な場所にあるといえるでしょう。

人口と経済

最新の2010年国勢調査によると、カラワオ郡の人口はわずか90人で、全米の郡の中でテキサス州ラヴィング郡に次いで少ない部類に入ります。郡の世帯あたりの収入中央値は9,333ドルであり、全米で最も低いとされています。このように、カラワオ郡は経済面でも特異な存在です。

郡政府と運営

カラワオ郡は、ハワイ州のマウイ郡に含まれる独自の位置付けを持った地域です。この郡には独自の政府は存在せず、ハワイ州保健局がその管理を行っています。地元住民から選ばれた保安官が一人いるだけで、事実上のリーダーシップを提供しています。また、カラワオ郡は時に地図上で一つの郡として表記されないこともあります。

歴史的背景

カラワオ郡は、1860年代からハンセン病患者の隔離を行うカラウパパ居留地として知られています。同地域はハワイ王国から始まり、ハワイ共和国、ハワイ準州、そしてハワイ州に至るまでの長い歴史を持っています。1969年に隔離政策が撤廃されたものの、多くの元患者はそこに留まることを選びました。今や新たな患者の受け入れはなく、現在の住民とは限られた方々となっており、見学者は公式なツアーを通じてのみ訪れることが許されています。特に重要なのは、16歳未満の者の訪問が制限されている点であり、ただし親族を訪問する場合には例外があります。

カラワオ郡において特に有名なのは、ベルギー人のダミアン神父です。彼はハンセン病患者のために全生涯を捧げ、最終的には彼自身もその病にかかり命を落としました。彼の努力は現在も多くの人々に記憶されています。

地理と区域

アメリカ合衆国国勢調査局によると、カラワオ郡の面積は52.33平方マイル（約135.5平方キロメートル）であり、そのほとんどが水域に占められています。実際、陸地面積はわずか13.21平方マイル（約34.2平方キロメートル）で、全国の郡の中で最も小さい規模です。水面の大部分は太平洋で占められています。

カラワオ郡はさらに4つのアフプアア（区域）に分けられています。カラウパパ区域は、半島の西側にあり、モロカイ海岸の一部も含まれています。マカナルア区域は長く伸びる中央部にあり、カラウパパ空港もこの区域に位置しています。カラワオ区域は東側と南東部のワイアレイア・バレーを含んでいます。さらに、無人集落のワイコル区域も存在します。

交通

モロカイ空港が島への航空交通を提供し、カラワオ郡にもカラウパパ空港が設けられています。この空港を利用することで、近隣地域とのアクセスが可能ですが、ことさら交通が発達しているわけではないことを考慮する必要があります。

以上のように、カラワオ郡は独自の歴史と地理的特性を持つ地域であり、訪れる人々にとっては特別な体験となることでしょう。ただし、その特異性ゆえに訪問にはさまざまな制限があることを理解しておく必要があります。

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