カラーガード

カラーガードとは

カラーガード（Color Guard）は、ドラムコーやマーチングバンドにおける視覚的表現を担うパートであり、フラッグ、ライフル、セイバーなどの手具を用いて演技を行います。元々は「旗衛隊」を意味し、軍隊における国旗や軍旗の護衛を起源とした名称です。近代的なマーチングショウにおいては、色彩感や空間構成が重要視され、カラーガードは不可欠な存在として位置づけられています。

近年、特にWinter Guard International（WGI）の影響を受けて、カラーガードの役割はマーチングバンドの単なる装飾から、芸術性を追求する最も重要なパートへと変わってきました。この結果、手軽に始められる団体競技としての人気が高まり、多くのカラーガード単独チームが誕生しています。アメリカにおいては、国旗、州旗、団体旗の旗手と護衛の小銃手からなる5人編成が一般的ですが、日本では学校の部活動として行われるため、武器を用いることに消極的であり、フラッグを中心とした演技が主流となっています。

例えば、アメリカで用いられるセイバー（サーベル）は、日本においては銃刀法の規制対象とされ、一時期は使用制限がありましたが、アルミ製に限り現在は使用が許可されるようになっています。また、バトントワリングやチアリーダーとしばしば混同されることがありますが、それぞれの起源や表現技法は異なります。

日本におけるカラーガード

自衛隊

日本の自衛隊では、女性自衛官によるカラーガードが活躍しています。有名な例として海上自衛隊下総航空基地の「下総マリンブルー」が挙げられますが、このチームは2009年に活動を休止しました。他にも女性自衛官有志によるカラーガード隊が各基地で存在しています。1988年に結成された陸上自衛隊東北方面隊の婦人自衛官によるフラッグ隊は、紹介されています。この隊は約半年間の訓練を通じ、自衛隊音楽まつりに出演します。

とはいえ、近年の活動制限や特別な事情から、自衛隊のフラッグ演技は減少しています。特に海上自衛隊は、2009年以降は「艦旗隊」のみでの活動が続いています。現在、フラッグ演技を行うのは航空自衛隊が唯一となっています。

警察

日本のほとんどの警察音楽隊でもカラーガード隊が編成されていますが、組織が異なるため、一部ではカラーガード隊を持たない県も存在します。各県によって体制が異なり、パレードやマーチング時だけにカラーガード役割を果たす場合もあります。また、カラーガード隊員をパートタイム雇用としている例もあり、待遇の問題で人材確保に苦慮しています。求められる演技のレベルも多様で、講師を招いて高度な演技を追求する警察音楽隊もあれば、伝統的スタイルを踏襲する隊も見られます。

フィナーレ

アメリカにおいてカラーガードが注目されたのは1977年からで、カラーガードだけの大会が開催され、Pageantry を追求する流れが生まれました。これにより、日本のカラーガードにも新たな影響が与えられています。近年は多くの日本のチームがWGIに参加し、国際的な舞台での演技を通じてさらなる技術向上に努めています。

カラーガードは、単なるパフォーマンスを超えて芸術性を探求する存在となり、今後も多様な表現が期待されています。

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