カリズマティック

カリズマティック(Charismatic)は、アメリカ合衆国で誕生したサラブレッドの競走馬です。1999年のケンタッキーダービーとプリークネスステークスというアメリカクラシック二冠を制し、その年のエクリプス賞年度代表馬と最優秀3歳牡馬に選出されるなど、輝かしい競走馬としてのキャリアを築きました。

デビューは1998年。最初の数戦は勝利から遠ざかりましたが、徐々に実力を発揮し始めます。アローワンス競走やクレーミング競走で経験を積み重ね、レキシントンステークスをレコードタイムで制覇。この勝利が、カリズマティックをケンタッキーダービーへと導きました。

ケンタッキーダービーでは、多くの観客に見守られる中、激戦を制し優勝。続くプリークネスステークスでも勝利し、アメリカクラシック二冠を達成しました。勢いに乗って挑んだベルモントステークスでは、三冠への期待が高まりましたが、惜しくも3着に終わりました。このレースで左前脚を骨折する重傷を負い、現役引退を余儀なくされました。

しかし、その引退レースでの感動的なシーンは、人々の記憶に強く残っています。ゴール後、骨折に気づいた鞍上のクリス・アントレー騎手は、すぐに下馬して負傷した馬を支え続けました。このアントレー騎手の迅速な対応と、カリズマティックの負傷の状況は高く評価され、「NTRAモーメントオブザイヤー」にも選出されました。

引退後は種牡馬として活躍の場を移します。まず、ケンタッキー州のレーンズエンドファームで供用されましたが、後に日本へ渡り、日本軽種馬協会静内種馬場で17年間、多くのサラブレッドの父として活躍しました。2016年に種牡馬を引退すると、アメリカに帰国。しかし、2017年2月、アメリカ・ケンタッキー州の牧場にて亡くなりました。

カリズマティックは、数々の重賞勝ち馬を輩出するなど、種牡馬としても成功をおさめました。その代表的な産駒には、ストームセイコー（新潟ジャンプステークス）、Gouldings Green（ハンシンカップなど）、Sun King（ペンシルベニアダービーなど）、ブルータブー（北海優駿、王冠賞）、スーパーサプライズ（荒炎賞）、イコールパートナー（東京ハイジャンプ）、そして、ワンダーアキュート（JBCクラシック、帝王賞など）など、多くの活躍馬が名を連ねています。

カリズマティックの短いながらも華々しい競走生活、そして種牡馬としての成功は、競馬ファンに大きな感動と記憶を残しました。その名は、アメリカの競走馬の歴史に、そして日本のサラブレッドの歴史に、永遠に刻み込まれています。ケンタッキーダービーという栄光の舞台で、そして日本で多くのサラブレッドの父として、カリズマティックは、競馬界に大きな足跡を残した偉大な馬と言えるでしょう。彼の血統は、現在も多くの競走馬の中に受け継がれ、その活躍が期待されています。

もう一度検索