カリロエー

カリロエーについての詳細

カリロエー（古希: Καλλιρρόη、「美しき流れ」の意）は、ギリシア神話に名を残す女神であり、その名前は音価によって異なる形態（カリロエ、カッリロエ、カッリッロエ）で知られています。彼女はいくつかの異なる神話に出現し、様々な家系を背景に持つことから、非常に多彩なキャラクターとして描かれています。

カリロエーの家系

カリロエーは特に以下の四つの異なる系譜に関連づけられています。

1. オーケアノスの娘
このカリロエーは、オーケアノスとテーテュースの3000人の娘、オーケアニデスの1人です。彼女はクリューサーオールとの間に、三頭の怪物ゲーリュオーンとエキドナを生みました。エキドナは、更にテューポーンという怪物との間に多くの恐ろしい生物を孕みました。

2. スカマンドロスの娘
このカリロエーはトローアスの川神スカマンドロスの子であり、トロイアの王トロースとの間にクレオパトラーやイーロス、アッサラコス、ガニュメーデースをもうけました。ガニュメーデースはその美しさによってゼウスに誘われる形でさらわれる運命を辿りました。また、アッサラコスからはアイネイアースが、イーロスはイーリオスを創建しました。

3. アケローオスの娘
こちらのカリロエーは河神アケローオスの娘で、アルクマイオーンとの間にアムポテロスやアカルナーンという子供を持ちました。カリロエーはアルクマイオーンと結婚するきっかけを持つ一方、彼の罪を浄める過程でも重要な役割を果たします。

カリロエーとアルクマイオーンの物語は、特に悲劇的な要素を含んでいます。アルクマイオーンが他の者に嘘をついて首飾りと長衣を得ようとした際、彼の行動が災厄を招きます。彼の殺害を知ったカリロエーはゼウスに祈り、子供たちを大人にするよう願いました。彼女の願いは叶えられ、子供たちは復讐を果たします。

4. リュコスの娘
このカリロエーはリビアの王リュコスの娘であり、トロイア戦争後のディオメーデースの航海において初めて登場します。彼は彼女の助けを借りて捕らえられたところから、二人の恋愛物語が展開します。しかし、ディオメーデースがカリロエーを捨てて帰国したことで、彼女は悲しみに暮れ自ら命を絶つ運命をたどります。

その他の慣例

カリロエーという名は、単に特定の神話の中に留まらず、ピラントスの妻としても知られており、アルゴスやアレストリデースの母でもありました。また、彼女はトロイアの王子パリスの恋人であったニュムペーとも関連付けられています。これらのストーリーは彼女の背景や性格にさらに深みを与えています。

参考文献

本記事は、以下の文献を参考にして構成されました。

• - アポロドーロス『ギリシア神話』
• - パウサニアス『ギリシア記』
• - ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』
• - ヘシオドス『神統記』
• - 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』

このようにカリロエーは、様々な物語の中で多面的なキャラクターとして存在し、ギリシア神話の中での重要性が窺えます。

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