カルタゴ (映画)

映画『カルタゴ』あらすじと解説

『カルタゴ』（原題：Cartagine in fiamme）は、1959年にイタリアで制作された歴史映画です。エミリオ・サルガーリの小説『燃えるカルタゴ』を原作とし、第三次ポエニ戦争における古代都市カルタゴの滅亡を描いています。監督はカルミネ・ガローネ、脚本はエンニオ・デ・コンチーニとドゥッチョ・テッサリが担当しました。

あらすじ

紀元前146年、第三次ポエニ戦争末期。カルタゴはローマとの長きにわたる戦いの最終局面を迎えていました。国内では、徹底抗戦か、屈辱的な和平か、意見が対立していました。

カルタゴの戦士イラムは、ローマとの和平を主張する商人たちに反発し、裏切り者として死刑を宣告されます。彼はヴィチェンツァへ亡命しますが、恋人である元老院議員エルモンの娘オフィールに会うため、危険を冒してカルタゴへ戻ります。

帰還後、イラムはバール＝モロック神殿で生贄にされようとしていた女性を救出します。彼女は、戦場でイラムを助けたローマ人女性フルヴィアでした。イラムは部下のアスタリトをオフィールの元へ送りますが、宿敵フェーゴルに気づかれ、追われる身となります。

その頃、ローマ軍がカルタゴへの猛攻を開始。イラムは元老院から傭兵部隊の指揮官に任命され、ローマ軍と戦います。しかし、圧倒的なローマ軍の前にカルタゴ軍は次第に押されていきます。イラムはフェーゴルに援軍を求めますが、彼はローマと内通しており、援軍は現れません。カルタゴ軍は敗北し、イラムは重傷を負いますが、フルヴィアに助けられ、オフィールと共に脱出します。

ローマ軍によって炎に包まれるカルタゴ。フルヴィアはフェーゴルに近づき、道連れに火の中に身を投げるのでした。

キャスト

イラム：ホセ・スアレス（吹替：家弓家正）
フェーゴル：ダニエル・ジェラン
フルヴィア：アン・ヘイウッド
オフィール：イラリア・オッキーニ
シドーネ：ピエール・ブラッスール
エルモン：アルド・シルヴァーニ
アスタリト：パオロ・ストッパ
ツール：マリオ・ジロッティ

解説

『カルタゴ』は、古代都市カルタゴの壮絶な滅亡を、愛と裏切り、そして祖国への忠誠心という要素を織り交ぜて描いた歴史スペクタクルです。ホセ・スアレス演じる主人公イラムの活躍を中心に、アン・ヘイウッド演じるフルヴィアとの愛、ダニエル・ジェラン演じるフェーゴルの裏切りなどが、ドラマチックに展開されます。

映画は、カルタゴの豪華なセットや衣装、そして大規模な戦闘シーンなど、見ごたえのある映像で観客を魅了します。また、カルタゴの滅亡という歴史的な出来事を背景に、人間の愛と憎しみ、勇気と裏切りを描き出し、普遍的なテーマを追求しています。

NET「日曜洋画劇場」では1975年3月30日に放映されました。

関連情報

第三次ポエニ戦争
allcinema - カルタゴ
KINENOTE - カルタゴ
オールムービー（英語）- Cartagine in fiamme
* IMDb（英語）- Cartagine in fiamme

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