カルメル (装甲戦闘車両)

カルメル：未来の装甲戦闘車両

カルメル（Carmel）は、イスラエル国防省の指導の下で進められている、次世代の装軌式装甲戦闘車両のシリーズです。2012年に開発計画がスタートし、イスラエルの大手防衛企業であるラファエル・アドバンスド・ディフェンス・システムズ、エルビット・システムズ、イスラエル・エアロスペース・インダストリーズの3社による技術デモンストレーターが開発されました。2019年にはそれぞれの試作車両が公表され、その後、2021年10月にIAI（イスラエル・エアロスペース・インダストリーズ）がカルメルの主契約者に選ばれました。

特徴と技術

カルメルは、その特徴として次のような点が挙げられます。まず、人工知能（AI）と自律制御システムを活用し、たった2人の搭乗員で運用が可能です。さらに、コンパクトながらも高機動で、低価格でありながら優れた生存性を誇っています。搭乗員は強化された車内から外部に出ることなく、様々な任務を遂行できます。

試作車両は、M113装甲兵員輸送車を基盤としており、最新の電子機器や光学機器を搭載した設計になっています。たとえば、エルビット・システムズの試作車両は、F-35戦闘機用の先進的なヘッドマウントディスプレイを装備している点が特徴です。一方、ラファエルやIAIの試作車両は、大型液晶ディスプレイを前方に設置しており、搭乗員は周囲の状況をモニター画面で確認しながら任務にあたることができます。特にIAIの試作車両では、運転や武器操作がゲーム機のコントローラーのような操作系統で行えるよう設計されています。

仕様

カルメルの仕様は多岐にわたり、以下のような特徴があります：

• - モジュール式装甲：状況に応じて簡単に装甲の交換が可能です。
• - アクティブ防護システム：脅威に対する効果的な対策を講じています。
• - 多様なバリエーション：装甲兵員輸送車型、偵察戦闘車型、指揮車両型など、さまざまな用途に対応したモデルがあります。
• - 偵察戦闘車型の搭載武器：30mm自動機関砲やスパイク対戦車ミサイルを搭載しており、戦闘能力も高いです。
• - ハイブリッドシステム：動力と効率性を両立した設計がなされています。
• - デジタル戦闘指揮および火器管制システム：高度な指揮統制を実現します。
• - 自動運転能力：無人での運用も可能です。
• - AIによる自動検出機能：脅威や重要目標をAIが認識します。
• - 重量の制限：40トン未満にデザインされています。

結論

カルメルは、将来の戦場での運用を見越して開発された最先端の装甲戦闘車両です。技術の進歩に伴い、AIと自律システムを駆使した新しい戦術を実現するための重要な一歩となるでしょう。イスラエル国防軍におけるその役割に、今後注目が集まることは間違いありません。

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