カルロス・ポンセ

カルロス・アントニオ・ポンセ・ディアスは、1959年2月7日生まれのプエルトリコ出身の元プロ野球選手である。外野手として活躍し、現在はYouTuberとしても活動している。

メジャーリーグではミルウォーキー・ブルワーズに所属し、1985年にメジャーデビューを果たした。その後、横浜大洋ホエールズ（現横浜DeNAベイスターズ）へ移籍。これがポンセのキャリアの転機となった。

1986年、横浜大洋ホエールズに入団したポンセは、その卓越した打撃センスと俊足を武器に、チームの中心選手として活躍した。当時の人気ゲーム『スーパーマリオブラザーズ』のマリオに似ていたことから「マリオ」や「ポンちゃん」の愛称で親しまれ、多くのファンから熱狂的な支持を受けた。

チームでは、高木豊、加藤博一、屋鋪要という強力なクリーンアップに続く4番打者として起用され、5番打者として活躍したダグ・ローマンと合わせて「フリーウェイクインテット」と呼ばれ、チームの勝利に大きく貢献した。この年、打率.322、27本塁打、105打点、18盗塁という素晴らしい成績を残し、チームの躍進を牽引した。しかし、阪神のランディ・バースが三冠王を獲得したため、自身はタイトルを逃した。

守備面では、当初三塁手として起用されたものの、送球難に苦しみ、多くの失策を犯した。そのため、シーズン中盤からは一塁、そして外野手に転向することとなった。外野手としては1987年から本格的にプレーを開始し、優れた守備力を発揮した。

1987年には、打率.323、35本塁打、98打点と素晴らしい成績を残し、念願の打点王のタイトルを獲得した。また、159安打は当時の最多安打記録であり、ベストナインにも選出された。1988年にはオールスターゲームに出場し、33本塁打、102打点という好成績で本塁打王のタイトルを獲得。2年連続で打点王、ベストナインにも選ばれ、チームの柱として活躍した。

ジム・パチョレックとのクリーンアップコンビは「PP砲」と呼ばれ、チームの強力な攻撃陣を支えた。しかし、1989年以降は、年齢による衰えや視力の低下により、成績が下降。1990年に横浜大洋ホエールズを退団した。

引退後はマイナーリーグのコーチやスカウトなどを務めた。また、フロリダ州で大型トラック運転手として働き、少年野球スクールの指導にもあたっていた。古巣への愛着は深く、1998年の横浜ベイスターズ優勝時にはお祝いのメッセージを送るなど、常にチームを応援し続けている。

2015年には「レジェンドOB1打席対決」に、2017年には「ハマスタレジェンドマッチ」に参加し、現役時代の実力をいかんなく発揮。ファンを熱狂の渦に巻き込んだ。2019年にはYouTubeチャンネルを開設し、YouTuberとしても活動を開始。自身の野球経験を生かし、「ポンセの野球レッスン」などを配信している。また、2020年には台湾プロ野球・CPBLの味全ドラゴンズの打撃コーチに就任するなど、現在も野球界に貢献している。

温厚な性格で知られるポンセだが、1989年には死球を受けた際に激昂し、退場処分を受けたこともあった。しかし、その次の試合では100本塁打を達成するなど、持ち前の強さと明るさで困難を乗り越えてきた。

ポンセは、その類まれな才能と人柄で、日本の野球ファンに長く愛され続けるレジェンド選手である。彼の活躍は、多くの野球ファンにとって忘れられない記憶として、これからも語り継がれていくことだろう。

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