カルロ1世・ゴンザーガ＝ネヴェルス

カルロ1世・ゴンザーガ＝ネヴェルス：激動の時代を生きた公爵

カルロ1世・ゴンザーガ＝ネヴェルス（Carlo I Gonzaga-Nevers, 1580年5月6日 - 1637年9月22日）は、イタリアのマントヴァ公爵およびモンフェッラート公爵として知られています。彼はまた、フランスのヌヴェール公爵、ルテル公爵、そしてアルシュ公という称号も保持していました。彼の生涯は、相続を巡る争いと、荒廃した領土の復興に費やされた、波乱に満ちたものでした。

生い立ちと相続

カルロ1世は、マントヴァ公フェデリーコ2世の息子ルドヴィーコ（ヌヴェール公ルイ4世）と、その妻アンリエット（ヌヴェール公フランソワ1世の娘）の末息子として、パリで生まれました。1627年、本家のマントヴァ公ヴィンチェンツォ2世が嫡子なく亡くなると、カルロ1世はマントヴァとモンフェッラートの支配者となりました。彼は、ヴィンチェンツォ2世の姪で相続人であるマリーアを、自身の息子と結婚させることで、相続の正当性を強化しました。

しかし、この相続は周囲の国々から異議を唱えられることとなります。モンフェッラート公領を狙うサヴォイア公カルロ・エマヌエーレ1世や、親フランスのマントヴァ公爵家の出現を快く思わないスペインとオーストリアのハプスブルク帝国が、カルロ1世の相続に反対したため、マントヴァ継承戦争が勃発しました。

マントヴァ継承戦争

1629年、神聖ローマ皇帝フェルディナント2世は、自らの傭兵隊（ランツクネヒト）を派遣し、マントヴァを包囲しました。カルロ1世は、フランス王ルイ13世からの軍事的支援を期待しましたが、それが叶わず、マントヴァから逃れることを余儀なくされました。1630年7月、長期間の包囲で疫病が蔓延し、荒廃したマントヴァは、傭兵隊の突入によって壊滅的な状態となり、かつての繁栄を取り戻すことはありませんでした。

ケラスコ協定と復興

教皇領に避難していたカルロ1世は、1631年にケラスコ協定を締結し、マントヴァへの帰還を果たしました。サヴォイア公国にモンフェッラートの一部を譲渡する代わりに、マントヴァ公国とモンフェッラート公国の継承が認められました。しかし、サヴォイア家やゴンザーガ家の分家であるグアスタッラ公爵家の相続請求に対する補償はなされないままでした。

帰還後、カルロ1世は荒廃したマントヴァの経済復興に尽力しました。しかし、度重なる戦争や疫病によって疲弊したマントヴァを立て直すことは、容易ではありませんでした。

結婚と子女

1599年2月1日、カルロ1世はソワソンでギーズ家のマイエンヌ公シャルルの娘カトリーヌと結婚し、6人の子供をもうけました。

フランソワ（1606年 - 1622年）：ルテル公爵
シャルル（1609年 - 1631年）：マイエンヌ公爵、エギュイヨン公爵
フェルディナン（1610年 - 1632年）：マイエンヌ公爵、エギュイヨン公爵
マリー＝ルイーズ（1611年 - 1667年）：1645年にポーランド王ヴワディスワフ4世と結婚、1649年にポーランド王ヤン2世カジミェシュと再婚
ベネデッタ（1614年 - 1637年）：アヴネ女子修道院長
アンヌ（1616年 - 1684年）：1639年にギーズ公アンリ2世と結婚、1645年にプファルツ＝ジンメルン公子エドゥアルトと再婚

死と遺産

カルロ1世は1637年に57歳で亡くなり、跡を嫡孫のカルロ2世が継ぎました。彼の生涯は、相続争い、戦争、疫病に見舞われましたが、その中でもマントヴァの復興に力を尽くしました。カルロ1世の時代は、ヨーロッパの政治情勢が大きく変動する中で、小国の君主が生き残るための知恵と苦悩を示す、重要な事例と言えるでしょう。

参考文献

Coniglio, Giuseppe (1967). I Gonzaga. Varese: Dall'Oglio

関連項目

マントヴァの領主一覧

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