カンジダ

カンジダ（Candida）

カンジダは、酵母菌の一種である無色の不完全酵母を指します。この属名は、かつてはトルロプシス属（Torulopsis）としても知られていました。カンジダはその多くが非常に一般的な不完全酵母を含んでおり、出芽を通じて繁殖します。また、条件によっては偽菌糸と呼ばれる菌糸のような形を取ることもあります。

酵母の特性

酵母は単細胞の菌類の集合体ですが、特定の分類群を意味するわけではありません。一般的な出芽酵母の多くは子嚢菌類に分類されますが、担子菌系の酵母も発見されています。それぞれの酵母の分類は有性生殖の形態（テレオモルフ）を観察しなければ正確には判断できませんが、まだ発見されていない場合、それはアナモルフ（不完全菌）として扱われることがあります。これに従い、酵母も不完全酵母と呼ばれます。以前は不完全菌門不完全酵母綱という位置付けを持っていましたが、現在はその扱いも見直されています。

主なカンジダ菌

• - C. albicans: この種は病原性を有し、カンジダ症を引き起こす原因菌として知られています。C. albicansは通常、ヒトの皮膚や消化管、そして女性の膣に常在しています。健康な状態であれば特に問題はありませんが、免疫力が低下した際には病気のもととなることがあります。

• - C. etchellsii および C. versatilis: これらの種は味噌や醤油の発酵に関与し、食品産業において重要な役割を果たしています。

• - C. stellata: 主にワインの醸造に利用される酵母です。これらのカンジダはそれぞれ特色を持ち、産業においても利用されています。

カンジダの鑑別

C. albicansの鑑別には、特定の試験が用いられます。その一つに、仔牛血清に感染菌を接種し、37℃で数時間培養後に顕微鏡で発芽管を観察する手法があります。この試験を通じて、感染の有無や種類を確認することが可能です。

関連疾患

カンジダに関連する疾患にはいくつかの種類があります。例として、以下のようなものが挙げられます。

• - カンジダ症: 一般的な感染症で、皮膚や粘膜に影響を及ぼすことがあります。
• - 皮膚カンジダ症: 皮膚に発生するカンジダ菌の感染です。
• - 口腔カンジダ症: 口腔内にカンジダが増殖することによる痛みや不快感を伴う病気です。
• - 性器カンジダ症（膣炎）: 特に女性において、膣の感染を引き起こします。
• - 口角炎: 口の周囲が感染することがあり、出血や炎症を引き起こすことがあります。
• - 胃鼓脹症: C. sakeが原因でサケ科魚類に見られる感染症で、ガスが発生しお腹の膨満を引き起こします。

参考リンク

さらに詳しい情報を知りたい方は、千葉大学真菌医学研究センターの「目で見る真菌症シリーズ」や、日本医真菌学会の「おもな病原性酵母の主要鑑別点」をご覧ください。また、カンジダ菌を理解するうえでの知識を深められる資料が、いくつか存在します。

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