カンパニア (水上機母艦)

カンパニア (HMS Campania) の艦歴

「カンパニア」は、もともと1893年に建造されたキュナード・ラインの豪華客船「RMS カンパニア」でした。リヴァプールとニューヨークを結ぶ航路で活躍し、大西洋横断の最速記録であるブルーリボン賞を一時保持するなど、その性能は高く評価されていました。しかし、1914年に船舶解体業者に売却され、その役目を終えるはずでした。

ところが、第一次世界大戦の勃発により、「カンパニア」はイギリス海軍に購入され、水上機母艦へと改装されることになります。1914年11月27日に「HMS カンパニア」として再就役を果たしたのです。改装工事では、前方の煙突を撤去して小型の2本煙突に変更、さらに艦の前部には160フィートの木製飛行甲板が設置されました。これにより、ソッピース パップなどの戦闘機が発艦できるようになり、水上機母艦としての能力が向上しました。また、当時の軍艦と同様に、幻惑迷彩が施されています。

「カンパニア」は、主にスカパ・フローを拠点として活動しました。しかし、機関の故障によりユトランド沖海戦には間に合わず、戦闘に参加することはできませんでした。1918年秋にはフォース湾へと移動しています。

1918年11月5日、停泊中に「カンパニア」は突風に煽られ、錨を引きずりながら移動してしまいます。そして、戦艦「ロイヤル・オーク」の艦首に衝突、さらに巡洋艦「グローリアス」にも接触するという事故を起こしました。最初の「ロイヤル・オーク」との衝突で船体が損傷、機関室が浸水し、電力も失われました。その後、艦は後部から沈没を始め、約5時間後にその姿を海中に没しました。幸いにも乗員は全員、付近の艦艇によって救助されています。

この事故を受け、海軍委員会は聴聞会を開催しました。その結果、「カンパニア」が漂流を始めた後に別の錨を降ろすなどの適切な措置が取られなかったと判断し、当直士官に大きな責任があると結論付けられました。

「カンパニア」の残骸は、1973年の船舶残骸保護法により2001年に歴史的な重要史跡に指定されています。現在では許可なしに潜水することは禁じられています。

関連項目

イギリス海軍艦艇一覧

参考文献

海人社『世界の艦船 増刊　イギリス航空母艦史』2005年10月号増刊 No.649

外部リンク

DiveBunker: Dive sites
Battleships-Cruisers.co.uk

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