カンプチア共産党

カンボジア共産党の歴史

カンボジア共産党（Khmer People's Revolutionary Party, CPK）は、1951年に設立されたカンボジアの政党です。もともとは旧インドシナ共産党の後継としてスタートし、設立時にはクメール人民革命党という名称でしたが、すぐにカンボジア共産党に改称されました。解説するにあたって、設立に関する諸説についても考慮する必要があります。特に設立日については、歴史学者の間で意見が分かれており、その正確な時期は定かではありません。

この党は、初代書記長にトゥー・サモットを迎え、ヨーロッパから伝わった共産主義を基盤にしつつも、都市ではなく農村共同体を重視する農村社会主義を掲げました。特に労働者や農民などの社会下層からの支持を受ける一方で、クメール民族のナショナリズムも大事にしていました。このような理念に沿い、カンボジア共産党は政争の中で力をつけていきました。

国王ノロドム・シハヌークの政権における政治的な闘争や、ベトナム戦争、さらにはカンボジア内戦などの厳しい状況の中で、カンボジア共産党は影響力を拡大しました。1975年には、ついに民主カンプチアが成立しました。しかし、この過程で第2代書記長サロット・サル（ポル・ポト）による党内の粛清が行われ、独裁的な体制が確立されました。これにより、ポル・ポトに反対する党員は周辺国に逃れ、カンボジア人民党を結成しました。このころからカンボジア共産党のポル・ポト派は「クメール・ルージュ」として知られるようになりました。

その後、カンボジア・[[ベトナム戦争]]において、民主カンプチアはベトナム社会主義共和国に敗北しました。新たに成立したカンプチア人民共和国では、ポル・ポト率いるクメール・ルージュ派が反政府軍として新たな活動を開始しました。特にアメリカと中国からの支援を受けて、反共産主義的な動きを強め、1981年にはカンボジア共産党を解散し、社会民主主義を掲げる新しい政党として民主カンプチア党を設立しました。このことにより、カンボジア共産党とクメール・ルージュに明確な違いが生じました。

その後、冷戦の崩壊によって西側の支援が止まり、反ベトナム勢力は苦境に直面しました。1993年のカンボジア国民議会選挙では、民主カンプチア党を中心としたカンプチア国家統一党が設立されるものの、最終的には選挙へは参加せず、ボイコットを選択しました。そして立憲君主制が採用されると、ノロドム・シハヌークの復帰に伴い、カンプチア国家統一党は非合法となり解散を余儀なくされました。

1996年までに、クメール・ルージュ系の武装勢力はほぼ壊滅し、潜伏していたポル・ポトも1998年に亡くなりました。こうしてカンボジア共産党から分裂した勢力であるカンボジア人民党が現在も政界の中心におり、首相や閣僚を輩出し続けています。これにより、カンボジア共産党の影響力は薄れましたが、その歴史は今なおカンボジアの政治に大きな影響を与えていると言えるでしょう。

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