カンポサントの戦い

カンポサントの戦い：1743年、オーストリア継承戦争下の激突

カンポサントの戦いは、1743年2月8日にモデナ＝レッジョ公国のカンポサントで、スペインとオーストリアの間で繰り広げられた戦闘です。スペイン・ナポリ連合軍はド・ガージェ将軍、オーストリア・サルデーニャ連合軍はトラウン元帥が指揮を執りました。

戦いの背景

スペイン軍はパナロ川を挟んでオーストリア軍と対峙していました。トラウンは慎重に行動していましたが、スペイン王室は勝利を強く要求。一方、トラウンもまた、政敵からの攻撃をかわし、サルデーニャの離反を防ぐために、戦果を挙げる必要がありました。互いの思惑が一致し、カンポサントでの決戦へと向かいます。

戦闘の経過

両軍は歩兵を中央、騎兵を両翼に配置する伝統的な陣形を敷きました。しかし、トラウンは兵力で劣るため、敵と正面からぶつからず、北西へ移動。スペイン軍の歩兵と右翼騎兵の間にできた隙を突く戦略に出ます。これは自軍右翼が側面攻撃を受けるリスクを伴いましたが、左翼に戦力を集中して突破を図る狙いがありました。

戦闘開始は遅く、16時。スペイン軍は両翼の騎兵がオーストリア軍を圧倒しましたが、歩兵への追撃をせず戦場から離脱。トラウンは冷静に左翼を立て直し、歩兵を率いて反撃を開始します。一方、オーストリア軍右翼では、シューレンベルク伯爵が騎兵を再編してスペイン騎兵に反撃。最終的に、オーストリア軍がスペイン軍右翼を打ち破りました。しかし、日没が迫り、両軍は撤退を開始。スペイン軍はパナロ川を渡りボローニャへ退却しましたが、混乱の中、多くの部隊が道を誤り、捕虜となる者も出ました。

戦闘の損害とその後

スペイン軍は戦死1,755人、負傷1,307人、捕虜824人という大損害を受けました。対するオーストリア・サルデーニャ連合軍は、戦死397人、負傷および捕虜1,153人でした。ド・ガージェはボローニャへ撤退後、リミニへの撤退を余儀なくされます。しかし、マドリードの宮廷ではこの戦いが勝利とみなされ、ド・ガージェはカンポサント伯爵の爵位を得ました。フランスがスペインへの支援を約束しましたが、トラウンはイタリア北部の確保に成功しました。

カンポサントの戦いは、両軍の思惑、戦略、そして不運が絡み合った激戦でした。この戦いの後、戦局は大きく変化しました。



参考文献
Browning, R - The War of the Austrian Succession pp. 131-133 Bibliography 403-431
Ilari, V - La Corona di Lombardia pp. 112–114.
Melendreras Gimeno, María del Carmen (1987). Las campañas de Italia durante los años 1743-1748. Editum. ISBN 978-84-7684-078-8

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