カヴァラ (ギリシャ)

カヴァラは、ギリシャ共和国の東マケドニア・トラキア地方に位置する、カヴァラ県の県都です。エーゲ海に面した港湾都市として知られ、約6万人の人口を擁します。北部ギリシャにおいては、テッサロニキに次ぐ第二の都市として重要な役割を果たしています。

地理

カヴァラはカヴァラ湾に面しており、沖合にはタソス島が浮かんでいます。この地域は美しい自然に恵まれており、海岸線は観光客にも人気があります。

カヴァラ市には、カヴァラ地区の主要都市であるカヴァラ（58,663人）、フィリッピ地区のクリニデス（3,295人）、カヴァラ地区のネア・カルヴァリ（2,244人）などの集落が含まれています。

歴史

カヴァラの歴史は古く、紀元前6世紀にパロス島からの移住者によって建設されました。当初はネアポリスと呼ばれ、マケドニアの主要な港として発展しました。古代には、ダトゥムという金鉱で知られる場所と同一視されることもありましたが、正確な位置関係については諸説あります。また、ネアポリスは古代に硬貨を鋳造していた記録も残っています。

紀元前168年にはローマの支配下に入り、紀元前42年にはブルートゥスとカッシウスの軍事拠点となりました。使徒パウロがヨーロッパへの最初の航海の際に上陸した地としても知られています。東ローマ帝国時代にはクリストーポリス、ブルガリア人からはモルネツと呼ばれました。

1371年から1912年まではオスマン帝国の支配下にありましたが、16世紀半ばにはスレイマン1世の大宰相イブラヒム・パシャによって水道が建設され、都市の発展に大きく貢献しました。この時期には、東ローマ帝国時代の要塞が拡張され、今日でも町の象徴となっています。

また、19世紀初頭には、エジプトを統治したムハンマド・アリー朝の創始者ムハンマド・アリーがカヴァラで生まれました。彼の生家は博物館として保存されており、多くの観光客が訪れます。

社会

カヴァラ市は、2011年の地方制度改革により、旧カヴァラ市と旧フィリッピ市が合併して誕生しました。カヴァラ市は、カヴァラ地区とフィリッピ地区から構成されています。

行政区画

カヴァラ市は、カヴァラ地区とフィリッピ地区の2つの行政区に分かれています。

交通

カヴァラは、ヨーロッパ自動車道路E90号線とギリシャの主要な高速道路A2号線、GR-2号線が通る交通の要所です。また、カヴァラ国際空港（アレクサンドロス大王空港）が近郊にあり、国内外からのアクセスも便利です。カヴァラ港は、地域の物流と観光において重要な役割を果たしています。

文化・観光

カヴァラには、中世の城や要塞跡が残っており、歴史的な景観が魅力です。特に海岸沿いには、かつての要塞の一部が今も残っています。

カヴァラFCは地元を拠点とするプロサッカークラブとして、地域の人々に愛されています。また、ギリシャ最大級の民族フェスティバルであるコスモポリス国際フェスティバルも開催され、国内外から多くの人々が訪れます。

1893年から1903年の間には、フランスの郵便局がカヴァラに存在し、独自の郵便切手を発行していました。

姉妹都市

カヴァラは、ドイツのニュルンベルク、ボスニア・ヘルツェゴビナのグラディシュカ、トルコのテキルダーと姉妹都市提携を結んでいます。

著名な出身者

カヴァラ出身の著名人には、プロサッカー選手のコンスタンティノス・ミトログル、元サッカーギリシャ代表主将のテオドロス・ザゴラキス、歌手のデスピナ・ヴァンディ、ムハンマド・アリー朝の初代君主ムハンマド・アリー、第2代君主イブラーヒーム・パシャなどがいます。

カヴァラは、歴史、文化、自然が調和した魅力的な都市であり、ギリシャを訪れる際にはぜひ訪れていただきたい場所です。

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