カーク・ルーター

カーク・ルーター（Kirk Wesley Rueter）は、1970年12月1日生まれ、アメリカ合衆国イリノイ州セントラリア出身の元プロ野球選手です。左投左打の投手で、その独特な投球フォームから"Woody"というニックネームで親しまれました。

プロ入りとエクスポズ時代

1991年、ルーターはモントリオール・エクスポズからドラフト18巡目で指名されプロ入り。1993年7月7日にメジャーデビューを果たすと、その年14試合に先発し、8勝0敗、防御率2.73という素晴らしい成績を収めました。新人王の投票では7位でしたが、スポーティングニュース誌からは最優秀新人投手に選ばれるなど、高い評価を受けました。
1994年には、デビューから10連勝を達成。これは、フェルナンド・バレンズエラ以来の快挙でした。その後、連勝はストップしましたが、エクスポズのローテーション投手として活躍しました。

ジャイアンツへの移籍とエースとしての活躍

1996年7月30日、ルーターはマーク・ライターとのトレードで、ティム・スコットとともにサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍。ジャイアンツでは、先発ローテーションの柱として長年にわたり活躍しました。2002年には14勝を挙げ、左投手として球団史上ジョニー・アントネーリ以来となる6年連続2桁勝利を達成しました。
ポストシーズンでは、自身初のワールドシリーズに進出。第4戦に先発し、6回3失点とクオリティ・スタートを記録。チームは勝利したものの、ルーターに勝ち星はつきませんでした。第7戦ではリリーフとして4回を無失点に抑えましたが、チームは敗れ、世界一には届きませんでした。

晩年と引退

2003年には初の開幕投手を務めましたが、7月に左肩を痛めて故障者リスト入り。その後復帰したものの、再び肩を痛めて2度目の故障者リスト入りとなりました。シーズン終盤に復帰し、最終登板で10勝目を挙げ、左投手として球団史上カール・ハッベル以来となる7年連続2桁勝利を達成しました。
2004年も開幕投手を務めましたが、9勝12敗と負け越し、連続2桁勝利は7年で途絶えました。2005年は2勝7敗、防御率5.95と不本意な成績に終わり、2006年3月6日に現役引退を表明しました。

ジャイアンツでの105勝は、球団が1958年にニューヨークからサンフランシスコに移転後、歴代3位の記録です。その功績を称え、2006年8月19日には、ジャイアンツの本拠地AT&Tパークで"カーク・ルーター・デー"が開催されました。

ルーターは、その独特な投球フォームと、安定した制球力で、多くのファンを魅了しました。ジャイアンツのエースとして、チームを支え続けた彼の功績は、長く語り継がれるでしょう。

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