カーム航空

カーム航空とは

カーム航空（ダリー語：کام ایر、英語：Kam Air）は、アフガニスタンの首都カーブルを本拠地とする航空会社です。この航空会社は、国内線はもちろん、ヨーロッパ、中東、アジア諸国への国際線も定期的に運航しています。拠点空港はカーブル国際空港で、地域内外の移動を支える重要な役割を果たしています。

沿革

カーム航空は、2003年8月31日にアフガニスタンのザムライ・M・カームガールによって設立されました。民営の旅客航空会社としては、同国で初めての試みとされ、その運航は同年11月8日から開始されました。初期の運航路線は、カーブルとヘラート、マザーリシャリーフを結ぶものであり、使用された機材はボーイング727でした。特筆すべきは、当時の運航機材がアブドゥッラシード・ドスタム将軍に提供されたものであったことです。この機材は、彼の軍に燃料と食料を供給する形での返礼として用意されたものでした。

カーム航空は、設立当初から多くの挑戦に直面してきました。2014年1月、航空会社の評価サイトによる比較調査では、全世界448社の中で安全性の面で低い評価を受け、ワースト3にランクインしました。また、2019年12月にはアフガニスタンで銃殺された医師、中村哲の功績を讃えるために、エアバスA340の尾翼に彼の肖像が描かれることとなりました。

就航都市

2020年の段階で、カーム航空はさまざまな都市に路線を持っており、特にアフガニスタン国内でのネットワークを強化しています。しかし、EU域内には乗り入れをしていないため、EU圏内の路線は存在しません。

運航機材

2021年時点では、カーム航空は多様な運航機材を保有しています。現在使用中の機材は以下の通りです。

• - エアバスA340
• - ボーイング737

また、過去に運航していた機材もいくつか存在します。具体的には、アントノフAn-24RVやヤコヴレフYak-40、ボーイング727などが含まれます。

事故・事件

カーム航空の歴史には、数少ないながらも事故や事件が記録されています。2004年9月には、アントノフAn-24を使用した便がカーブル国際空港に着陸後、滑走路を逸脱する事故が発生しました。幸いにも乗客に負傷者は出ましたが、機材は無傷でした。

また、2005年2月3日には、ヘラートからのカーム航空904便が悪天候の中でカーブル国際空港への着陸態勢に入った際にレーダーから消失しました。運航していたボーイング737には乗員8名、乗客96名が搭乗していましたが、捜索活動の結果、2月5日にカーブル東方の山中で残骸が発見され、乗員乗客全員が亡くなる悲劇となりました。この事故はカーム航空904便墜落事故として知られています。

まとめ

カーム航空は、アフガニスタンの航空業界の中で重要な地位を占めており、その設立から今日にかけて多くの変遷を経てきました。国際的なルート網を持ちながらも、安全性に関して課題を抱える一方で、地域の結びつきを強める役割を果たし続けています。

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