カーリ (衛星)

カーリ（Saturn XLV Kari）は、土星の第45番目の衛星として知られています。この衛星は、土星の周りを逆行する軌道を持つ不規則衛星であり、北欧群と呼ばれるグループに属しています。

2006年3月6日、スコット・S・シェパード、デビッド・C・ジューイット、ジャン・カリーナらの研究チームが、すばる望遠鏡を用いた観測によってカーリを発見しました。この発見は、同年6月26日に小惑星センターの回報で、さらに6月30日には国際天文学連合の回報で公表され、発見当初はS/2006 S 2という仮符号が与えられました。

その後、2007年4月5日に、北欧神話に登場する風の支配者であるカーリにちなんで正式に命名され、Saturn XLVという確定番号が与えられました。この命名は、衛星が北欧群に属することを示唆しています。

カーリの詳しい物理的特性については、まだ研究が進められている段階ですが、アルベド（反射率）を0.04と仮定すると、その直径は約6kmと推定されています。これは、土星の他の多くの不規則衛星と同様に、非常に小さい天体であることを示しています。カーリは土星から平均して約22,093,000kmの距離を公転しており、その軌道は大きな離心率を持っています。そのため、土星からの距離は大きく変動し、約1231日かけて土星を一周しています。

また、2013年3月には、土星探査機カッシーニによる観測でカーリの自転周期が測定され、約7時間42分であることが判明しました。この自転周期は、他の多くの不規則衛星と同様に比較的速いと考えられます。

カーリのような不規則衛星は、土星の形成初期に捕獲された小天体であると考えられています。これらの衛星は、土星の周りを逆行する軌道を持っていることが特徴で、太陽系の形成過程や、惑星系の進化に関する貴重な情報を提供してくれます。今後の研究によって、カーリを含む不規則衛星の詳しい起源や進化が明らかになることが期待されています。

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