カール・ジェンキンス

カール・ジェンキンス（Karl Jenkins, 1944年2月17日 - ）は、イギリス・ウェールズ出身の作曲家、ピアニスト、オーボエ奏者、バリトンサクソフォーン奏者です。ジャズ、クラシック、民族音楽など、多様なジャンルを融合させた独自の作風で、世界的に高い評価を得ています。

生い立ちと音楽への道

ウェールズ人の父とドイツ人の血を引く母のもとに生まれたジェンキンスは、幼少期から音楽に囲まれた環境で育ちました。教会の聖歌隊長を務めていた父親の影響で、ピアノとオーボエを習い始め、その才能を開花させます。その後、ウェールズ国立ユース・オーケストラの首席奏者を務めるなど、若くして音楽家としての頭角を現しました。

カーディフ大学とロンドン王立音楽院で音楽を学び、音楽学士号、王立音楽院修士号を取得。卓越した音楽的才能と学識を兼ね備えたジェンキンスは、王立音楽院の評議員、準会員、ウェールズ王立音楽演劇学院の評議員、トリニティ・カレッジ・カーマーゼンの評議員も務めています。また、その功績が認められ、OBE（大英帝国勲位）を授与されています。

ミュージシャンとしてのキャリア

1969年、大学卒業後にジャズロックグループ「ニュークリアス」のメンバーとしてプロデビュー。数々の作曲と演奏に携わり、その才能を広く知らしめます。1972年には、同じくジャズロックユニット「ソフト・マシーン」に加入し、さらにその音楽性を深化させました。

1980年代には、ソフト・マシーンのメンバーであったマイク・ラトリッジと共に、CM音楽などの作曲・製作活動にも積極的に取り組みました。その成果は高く評価され、D&AD（英国デザイン・アート・ディレクション協会）の賞「ベスト・ミュージック」を受賞しています。

1990年代には、ジェンキンスがプロデュースを手掛けたアディエマスのデビューアルバム『聖なる海の歌声』が世界的な大ヒットを記録。民族音楽とクラシック音楽を融合させた、革新的な音楽スタイルは、世界中の音楽ファンを魅了しました。また、日本においては、フィギュアスケート選手の村主章枝のために書き下ろした「ファンタジア」が、彼女の2006-2007年シーズンのフリースケーティングで使用され、話題となりました。

多彩な音楽活動

ジェンキンスの音楽活動は、ジャンルを問わず多岐にわたります。代表作としては、「パラディオ」が挙げられます。この楽曲は、デビアスダイアモンドのコマーシャルに使用され、その美しい旋律は多くの人々の心に刻まれています。

また、数々の著名なアーティストとの共演も積極的に行っています。ミリアム・ストックリー（ボーカル）、カトリン・フィンチ（ハープ）、ブリン・ターフェル（バリトン）、マラート・ビーゼンガリフ（ヴァイオリン）など、錚々たるメンバーがジェンキンスの音楽世界を彩っています。さらに、西カザフスタンフィルハーモニックオーケストラやロンドン交響楽団などのオーケストラとの共演も数多く、その音楽活動は世界規模で展開されています。

音楽家としての貢献

カール・ジェンキンスは、その独創的な音楽性、幅広い音楽活動を通して、現代音楽界に多大な貢献をしています。彼の音楽は、国境や文化を超えて、多くの人々の心を揺さぶり、感動を与え続けています。

関連情報

パラディオ (曲): デビアスダイアモンドのCMに使用された、ジェンキンスの代表的な楽曲。
アーティスト:
ミリアム・ストックリー (Miriam Stockley/Vo)
アディエマス (ADIEMUS)
カトリン・フィンチ (Catrin Finch/Hrp)
ブリン・ターフェル (Bryn Terfel Jones/Br)
マラート・ビーゼンガリフ (Marat Bisengaliev/Vn)
西カザフスタンフィルハーモニックオーケストラ (West Kazakhstan Philharmonic Orchestra)
ロンドン交響楽団 (the London Symphony Orchestra/LSO)

外部リンク

Karl Jenkins - 公式ウェブサイト（英語）
sony music online Japanによる和文データベース
EMI Music Japanによる和文データベース

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