ガクウツギ

ガクウツギ（額空木）

概要

ガクウツギ（学名: Hydrangea scandens）は、アジサイ科アジサイ属に分類される落葉低木で、日本原産です。名前には「ウツギ」とありますが、アジサイの仲間です。アジサイ同様に萼片が大きく発達しますが、ガクウツギの萼片は３つで、それぞれ大きさが異なるのが特徴です。

名称の由来

和名の「ガクウツギ」は、樹形がウツギに似ていることと、花序に装飾花をつけることに由来します。また、日当たりの良い場所では、ときに紺色を帯びて金属的な光沢を放つことから、「コンテリギ（紺照木）」という別名もあります。

分布と生育環境

ガクウツギは、本州の関東地方以南から九州にかけて分布しています。主に山地の沢沿いなど、湿り気のある場所に生育します。

形態

ガクウツギは、高さが1.5メートルほどになる落葉低木です。枝分かれが多く、株立ちになる傾向があります。樹皮は淡褐色で、縦に浅く剥がれます。

葉は長さ4〜7センチ[[メートル]]で、縁には浅い鋸歯があり、先端は尖っています。

花期は5月から6月で、直径7〜10センチ[[メートル]]の散房花序をつけます。装飾花は直径2.5〜3センチ[[メートル]]で、３つの萼片は大きさが異なり、白色または淡黄色を帯びます。

冬芽は、毛が生えた膜質の薄い芽鱗に包まれています。枝先につく頂芽の外側の芽鱗は落ちやすく、側芽は枝に対生します。葉痕は心形または三角形で、維管束痕が３つあります。

分類

ガクウツギは、Hydrangea petiolaris のシノニムとされ、また、Hydrangea anomala の亜種と見なされることもあります。

参考文献

鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽：四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウオッチングガイドブック〉、2014年10月10日、88頁。ISBN 978-4-416-61438-9。

関連項目

ガクアジサイ

もう一度検索