ガッタメラータ

エラズモ・ダ・ナルニ、通称ガッタメラータは、14世紀後半から15世紀前半にかけてイタリアで活躍した、卓越した傭兵隊長（コンドッティエーレ）です。1370年、イタリアのナルニでパン屋の息子として生まれた彼は、その後の軍事的な成功から想像もつかないような、ごく平凡な出自でした。

ガッタメラータは軍人学校を卒業後、フィレンツェや教皇庁に仕官し、軍人としてのキャリアをスタートさせました。1434年にはヴェネツィア共和国に下級司令官として仕え、その才能を開花させます。特にヴィスコンティ家との戦いでは、卓越した戦略と勇猛果敢な指揮でヴェネツィアを防衛し、その名を轟かせました。ヴェローナの征服にも成功し、その軍事的な手腕は広く認められることとなります。

これらの功績が認められ、ガッタメラータは最終的にヴェネツィア共和国の総司令官にまで上り詰めました。その指揮下で、ヴェネツィア共和国は数々の戦いで勝利を収め、勢力を拡大することができました。しかし、ガッタメラータは1443年にパドヴァでその生涯を終えました。

ガッタメラータの名を不朽のものにしているのは、その軍事的な功績だけではありません。ルネサンス期の偉大な彫刻家ドナテッロが、彼の功績を称えて制作したブロンズ製の騎馬像『ガッタメラータ将軍騎馬像』は、芸術史においても重要な作品として知られています。この騎馬像は、パドヴァのバジリカ・デル・サントの近くに設置されており、現在でも訪れる人々を魅了しています。ガッタメラータは、その生涯を「Narnia me genuit / Gattamelata fui」（私はナルニで生まれ、ガッタメラータであった）という言葉で表現したことでも知られています。

ガッタメラータは、傭兵隊長という立場でありながら、祖国のために尽力し、その才能と勇気で多くの人々を魅了しました。彼の生涯は、ルネサンス期のイタリアにおける政治、軍事、芸術が複雑に絡み合った時代を象徴する出来事として、後世に語り継がれています。

外部リンク：
narnia.it

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