ガブリエリュス・ランズベルギス

ガブリエリュス・ランズベルギス：リトアニアの外交を担った政治家

ガブリエリュス・ランズベルギス（Gabrielius Landsbergis）は、1982年1月7日、リトアニア（当時はソビエト連邦の一部）の首都ヴィリニュスに生まれました。彼は、リトアニアの政治において重要な役割を果たしてきた人物です。

家系と学歴

ランズベルギスの家系は、リトアニアの歴史と深く関わっています。祖父は、リトアニア独立運動「サユディス」を率いた音楽学者ヴィータウタス・ランズベルギスであり、父は演出家・著作家のヴィータウタス・V・ランズベルギスです。このような家庭環境で育ったことが、彼の政治への関心を育んだと考えられます。

2003年にヴィリニュス大学歴史学部を卒業し、歴史学の学士号を取得。2005年には、同大学の国際関係・政治科学研究院で国際関係論の修士号を取得しました。学術的な背景も、彼の政治家としての活動を支えています。

政治家としてのキャリア

ランズベルギスは、リトアニア外務省や大統領府での勤務を経て、2007年より在ベルギー・リトアニア大使館に勤務しました。2011年に帰国後は、内閣府外交欧州部でアドバイザーを務めるなど、着実にキャリアを重ねました。

所属政党は、祖国連合＝リトアニア・キリスト教民主派です。2014年の欧州議会議員選挙で同党から立候補し、当選。欧州議会では欧州人民党に所属しました。2015年には、祖国連合の党首に選出され、党を率いる立場となりました。

2016年には、リトアニア国会議員選挙に出馬し、当選。欧州議会議員を辞任し、国会議員として国内政治に軸足を移しました。

外務大臣として

2020年12月11日、イングリダ・シモニーテ政権下で外務大臣に就任しました。外相として、リトアニアの外交政策を積極的に推進しました。

特に、中国との関係においては、新疆ウイグル自治区における人権問題を批判し、中国主導の「17+1」枠組みからの離脱を表明するなど、毅然とした態度を示しました。一方で、台湾との関係を強化し、台湾へのワクチン提供や代表機関の設置を表明するなど、台湾との連携を深めました。

また、自由で開かれたインド太平洋戦略への支持を表明し、日本の茂木敏充外務大臣との会談も行いました。

2021年12月には、ベラルーシに対する経済制裁に関連し、炭酸カリウムの輸送問題で批判を浴び、一時辞任を表明しましたが、首相の慰留により辞任は却下されました。

2024年10月の国会議員選挙の結果、祖国連合＝リトアニア・キリスト教民主派は下野し、ランズベルギスは12月に外相を退任しました。

人物像

ランズベルギスは、リトアニア語の他に、英語、フランス語、ロシア語を話すことができます。妻は株式会社「ヴァイキーステス・ソダス」設立者のアウステヤ・ランズベルギエネであり、4人の子供がいます。

ガブリエリュス・ランズベルギスは、リトアニアの政治・外交において重要な役割を果たした人物であり、彼の今後の活躍が期待されます。

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