ガラルド州

ガラルド州（ガラルドしゅう）

パラオ共和国を構成する行政区画の一つ、ガラルド州は、主島であるバベルダオブ島の北部に位置しています。「ステート・オブ・ンガラード（State of Ngaraard）」として知られ、島の最北端に位置するアルコロン州と境を接しています。州の西側の海岸線は、広大なマングローブ林に覆われており、その豊かな生態系は地域の重要な自然遺産となっています。

ガラルド州の住民生活や経済活動に大きな変革をもたらしたのが、バベルダオブ島を一周する環状道路「コンパクト・ロード」の開通です。この道路が整備される以前、州内の移動や他地域との往来は、主に船に依存していました。特に沿岸部の集落間では、水上交通が不可欠な手段だったのです。しかし、コンパクト・ロードの完成により、状況は一変しました。現在では自動車を利用した移動が主流となり、州内だけでなく、コロールなど南部の商業・行政の中心地へのアクセスが飛躍的に向上しました。これにより、人々の移動が容易になっただけでなく、物資の輸送効率が高まり、日常生活や産業活動の基盤が強化されました。道路網の整備は、孤立しがちだった地域コミュニティに外部との連携をもたらし、州全体の発展に寄与しています。

ガラルド州の人口は、2015年の調査時点では413人でした。これはパラオの全16州の中では比較的小規模な人口規模です。州の行政の中心である州都はウリマン（Ulimang）に置かれています。州内にはウリマンの他にも、チョル（Choll）、エラブ（Elab）、ンゲブケド（Ngebuked）、ンゲケクラウ（Ngkeklau）といった集落が点在しており、これらの集落が住民コミュニティの基盤を形成しています。

面積に関しては、ガラルド州はパラオ共和国を構成する16の州の中で、8番目の規模を持っています。これはパラオの州の中では中程度の面積であることを示しており、地理的な広がりに加えて、前述のコンパクト・ロードによって州内の各集落が結ばれていることが、州全体のまとまりや機能性に影響を与えています。

このように、ガラルド州はバベルダオブ島北部の地理的特徴、コンパクト・ロードによる交通網の近代化、そして比較的小規模ながら独自のコミュニティを形成する集落群といった要素が複合的に組み合わさり、そのユニークなあり方を形作っています。

もう一度検索