ガリ空港

概要

阿里昆莎空港（ありこんさくうこう）、またはガリ空港（ガリくうこう）は、中華人民共和国チベット自治区ガリ地区ガル県に位置する空港です。獅泉河鎮（ガリ地区の政府所在地）の南西に位置しています。この空港は、稲城亜丁空港（海抜4,436m）、チャムド・バンダ空港（海抜4,334m）、ダルツェムド空港（海抜4,280m）に次いで、2015年9月時点で世界で4番目に標高の高い場所にある4D級の支線用空港です。総投資額は16.474億元に達し、4,500mの滑走路を有し、ボーイング737-700、エアバスA319、イリューシンIl-76などの大型航空機が離着陸可能です。

軍事的意義

この空港の建設には、歴史的な背景があります。1969年12月18日に毛沢東が「関於加强阿里地区工作的指導」という文書の中でガリ地区への飛行場建設を指示しました。しかし、当時は資材の輸送が困難であり、費用も莫大であったため、実現には至りませんでした。その後、中国の経済発展に伴い建設が可能となり、当空港はインドとの国境付近の空白地域を補完する戦略的な重要性を持つようになりました。大型輸送機が発着できることから、チベット地域だけでなく、対インドでの軍事輸送においても重要な役割を担っています。

沿革

空港の建設は以下の段階を経て進められました。

2006年：計画開始
2007年5月：人民解放軍9総隊により建設開始
2009年9月5日：最初の飛行機が着陸
2009年10月13日～18日：民航総局による試験飛行実施
2010年5月：竣工
2010年5月28日：試験飛行のための最初の民間機が到着
2010年7月1日：正式開港

就航航空会社と就航路線

現在、以下の航空会社が路線を就航しています。

中国国際航空：ラサ、成都（ラサ経由）
チベット航空：ラサ

また、ホータン空港、カシュガル空港への就航も計画されています。


この空港の開港は、チベット自治区の交通インフラを大きく改善しただけでなく、軍事的な観点からも重要な意味を持っています。

脚注

参照元

関連項目

中華人民共和国の空港の一覧
* 中印国境紛争

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