ガルゴイレオサウルス

ガルゴイレオサウルス：最古の曲竜類

ガルゴイレオサウルス（Gargoyleosaurus parkpinorum）は、ジュラ紀後期に生息していた初期の曲竜類です。属名は、その独特な頭骨の形状が、教会の装飾であるガーゴイルを連想させることに由来します。本記事では、ガルゴイレオサウルスの特徴、発見、分類について詳しく解説します。

発見と標本

ガルゴイレオサウルスの化石は、アメリカ合衆国ワイオミング州のモリソン累層から発見されました。この累層は、ジュラ紀後期の地層として知られ、多くの恐竜化石が産出しています。

ホロタイプ標本は、ほぼ完全な頭骨と部分的な首から後の骨格で構成されています。この標本は、デンバー自然科学博物館に収蔵されており、研究者による分析が行われています。ホロタイプに加え、未記載の2つの部分骨格も知られています。

形態と特徴

ガルゴイレオサウルスの頭骨は、長さ約29cmで、他の曲竜類と比較して小型です。しかし、その形状は非常に独特で、三角形の方形頬骨や鱗状骨など、他の恐竜には見られない特徴を持っています。吻部は狭く、前上顎骨には7つの円錐形の歯があります。また、鼻の隔壁が不完全であることや、二次口蓋がないことも特徴として挙げられます。

体長は3-4m、体重は約1tと推定されています。体表には、2対の共骨化した頸部のプレートや、多数の細長い円錐状の棘があり、身を守る役割を果たしていたと考えられています。

分類

ガルゴイレオサウルスは、アンキロサウルス科とノドサウルス科の中間的な特徴を持つことから、初期の曲竜類と考えられています。かつてはポラカントゥス科に分類されることもありましたが、近年の研究ではアンキロサウルス科に属するとされています。ただし、頭骨以外の特徴はポラカントゥス科に類似しており、分類については議論が続いています。

系統解析においては、他の全てのアンキロサウルス科の姉妹群であるという結果が出ており、アンキロサウルス科の進化において重要な位置を占める可能性があります。

まとめ

ガルゴイレオサウルスは、完全な化石が知られる最古の曲竜類の一つであり、その独特な形態と分類上の位置づけから、恐竜研究において重要な存在です。今後の研究によって、ガルゴイレオサウルスの生態や進化に関する新たな発見が期待されます。

Natural History Museumのガルゴイレオサウルス

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