ガルニャーノ

イタリア北部、ロンバルディア州のブレシア県に位置するコムーネ（基礎自治体）がガルニャーノです。美しいガルダ湖の西岸に面しており、およそ2,800人の人々が暮らしています。

地理

ガルニャーノはブレシア県の北東部にあたり、ガルダ湖の湖岸に沿って立地しています。地理的には、近隣都市であるサロから北東に約15km、ガルダ湖南西端のデゼンツァーノ・デル・ガルダからは北北東に約26kmの位置にあります。また、湖の北端に位置するリーヴァ・デル・ガルダからは南南西へ約26km、県都ブレシアからは東北東へ約39km、ヴェローナからは北西へ約38km、そして州都ミラノからは東北東に約118kmと、主要都市からの距離も比較的近接しています。

このコムーネの領域は、広大なアルト・ガルダ・ブレシアーノ州立公園の一部となっています。また、1962年にトスコラーノ川を堰き止めて造られた人造湖、ヴァルヴェスティーノ湖もその領域内に含まれています。ガルダ湖の対岸はヴェローナ県に属します。

イタリア国内の地震リスク分類では、区分2に指定されています。

歴史

ガルニャーノという名は、937年の文献に「Garniano」として記録されています。この地名の語源は、おそらくラテン語の人名「Garenius」に由来するものと考えられています。古代においては、歴史家ティトゥス・リウィウスの記録や発掘された墓碑銘などから、エトルリア人、ケルト人、ケノマニ人、そしてローマ人といった様々な民族がこの地に暮らしていたことが示されています。

中世、ガルニャーノはサロを中心に栄えた地域共同体「マグニフィカ・パトリア」の一部を構成していました。この一帯は、1350年から1426年の期間、ヴィスコンティ家の支配下に置かれた後、強大なヴェネツィア共和国の統治下に入りました。

近代に入り、1797年にヴェネツィア共和国がその歴史を終えると、ガルニャーノはナポレオンによって樹立された姉妹共和国の一つ、ブレシア共和国の領土となりました。その後も、この地はチザルピーナ共和国、イタリア共和国、そしてイタリア王国と、ナポレオン支配下の政体の変遷をたどりました。ナポレオンの失脚後、ガルニャーノはオーストリア帝国の一部であるロンバルド＝ヴェネト王国に編入され、ハプスブルク家の支配下に置かれます。そして、1859年の第二次イタリア独立戦争の結果、サルデーニャ王国（後のイタリア王国）に編入され、イタリア統一の動きに組み込まれていきました。

イタリア統一後、近代イタリアにおいて、ミラノを拠点に一大財閥を築いたフェルトリネッリ家は、実はこのガルニャーノにそのルーツを持っています。19世紀末の1898年から1899年にかけて、フェルトリネッリ家の別荘として、美しいガルダ湖畔に壮麗なヴィッラ・フェルトリネッリが建てられました。このヴィッラは、第二次世界大戦末期、ムッソリーニが樹立したイタリア社会共和国（通称サロ共和国）が存在した時期には、その首脳であるベニート・ムッソリーニの住居として使用されたことで歴史に名を刻んでいます。

行政

ガルニャーノには、いくつかの分離集落（フラツィオーネ）と、その他の集落（Località）が存在します。主な分離集落としては、以下の名称が挙げられます。

Bogliaco
Costa
Fornico
Formaga
Liano
Musaga
Muslone
Navazzo
Sasso
Villa
Villavetro
Zuino

また、以下のような集落もあります。

Cristol
San Giacomo
Mignone
Sostaga
* Briano

文化・観光

ガルニャーノの特筆すべき観光スポットの一つが、ヴィッラ・フェルトリネッリです。これはかつてパラッツォ・フェルトリネッリとも呼ばれた邸宅で、ガルニャーノ出身の富豪フェルトリネッリ家によって1898年から1899年にかけて建設されました。このヴィッラは、第二次世界大戦末期のイタリア社会共和国時代にベニート・ムッソリーニの住居として使用されたことで、歴史的な重要性を持っています。

現在、この建物はミラノ大学に寄贈されており、その一部は大学の施設として利用されています。夏季（7月から8月第一週）には、ミラノ大学のイタリア語学・文化研究センター（CALCIF）として、また3月から10月にかけては大学の会議施設として使用されています。大学が利用しない期間には、高級ホテルとしても営業しており、その歴史的な雰囲気の中で滞在することができます。

人物

ガルニャーノにゆかりのある著名な人物としては、女優のエリカ・ブランが挙げられます。また、前述のヴィッラの建設者であるフェルトリネッリ家も、この町をルーツとする一族です。材木交易から身を起こし、イタリアの統一と資本主義の発展と共に財閥を形成しました。第二次世界大戦後、当主であったジャンジャコモ・フェルトリネッリは、著名な出版社であるフェルトリネッリ出版を創業しています。

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