ガンダム・センチネル

ガンダム・センチネルの概要

『ガンダム・センチネル』（GUNDAM SENTINEL）は、1987年から1990年にかけて大日本絵画社が発行した月刊模型雑誌『モデルグラフィックス』に連載された、ガンプラやジオラマなどに関連する多様なコンテンツを展開する企画です。特に、連載小説やフォトストーリーが高く評価され、1989年には総集編として別冊ムックが発行され、1990年には小説『GUNDAM SENTINEL ALICEの懺悔』が刊行されました。

企画の背景と進展

この企画は、バンダイが『機動戦士ガンダムΖΖ』の終了後から『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』公開までの間に、プラモデルラインアップに発生した空白を埋めるために、『モデルグラフィックス』に提案したものでした。MG誌の編集部は、かつてのMSVシリーズに基づいた「つなぎ」企画として、『ガンダム・センチネル』がスタートしました。

1987年7月に、プラモデルの第一弾としてフルアーマーΖ[[Ζガンダム]]が発売されました。このキットは、『ΖΖ』の46話には登場しないデザインながらも、MG誌に掲載された作例を元に開発されました。その後もキット化プランには1/300クィン・マンサやスプリーム・ガンダムがあり、従来シリーズでの未商品化MSの製品化も狙われました。

ところが、バンダイは『逆襲のシャア』関連商品の製品化が予定より早まったため、センチネルシリーズのプラキット化はフルアーマーΖΖのみで一時凍結されてしまいました。この危機感を受け、MG誌編集部のあさのまさひこは野心的な再商品化を目指し、企画を模型誌の連載として再始動させることとなりました。

模型誌としての展開

1987年9月号から始まった連載は、高橋昌也によるノベライズが中心となり、かときはじめのデザインとあさのまさひこの監修が光る作品群が生まれました。その中では、現実的な世界観の追求に根ざした模型業界の事情や、さまざまなコラム記事が展開され、読者と企画側との活発な意見交換も行われました。

こうした活動はモデラーやユーザーの意識を刺激し、新たな模型文化を生む一因となりました。特に、Sガンダムやそのバリエーション、Ζプラスのキットが成功を収め、以降もさまざまな模型が商品化されることとなりました。

別冊ムックと最終回

1989年には、これまでの集大成として別冊ムック『GUNDAM SENTINEL～THE BATTLE OF 'REAL GUNDAM'～』が発行され、誌上連載のフォトストーリーも充実しました。1990年には連載の総決算として「センチネル0079」が掲載され、カトキによるリファイン版RX-78のデザインが後のガンダムVer.Kaへとつながることとなりました。なお、内情としては、連載終了後もMG誌にはその活動が根付いており、企画終了から何年も経てなお、リスペクトを受け続けています。

作品への評価と影響

『ガンダム・センチネル』は、ガンプラブームの中心に位置した企画であり、模型界に多大な影響を与えたと考えられています。特にカトキが手がけたデザインのモビルスーツは多くのファンに支持され、後のプラモデル、トイへと繋がっていきます。

連載当時、この作品は業界内で批判も受けましたが、その後のプラモデル市場での成功や多くのファンを生み出し、今ではSDガンダムシリーズにも展開されるなど、公式作品としても広く認識されています。

また、作品を基にした関連商品やゲームが続々と登場し、特に『SDガンダム GGENERATIONシリーズ』やアーケードカードゲーム『ガンダムトライエイジ』など、さまざまなメディア展開が盛り上がりを見せています。これにより、『ガンダム・センチネル』が持つ文化的な重要性は堅固なものとなっていくでしょう。

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