ガールズ・トーク (エルヴィス・コステロの曲)

ガールズ・トーク

「ガールズ・トーク」は、英国の著名なミュージシャン、エルヴィス・コステロが作詞・作曲した楽曲で、ニュー・ウェイヴというジャンルを代表する一曲として知られています。この曲が最初に録音されたのは1978年のことで、ウェールズ出身のギタリスト兼プロデューサー、デイヴ・エドモンズによるものでした。

デイヴ・エドモンズによる成功

コステロは制作初期のデモ音源をエドモンズに提供しましたが、エドモンズはその音源に独自のアレンジを加え、自身のアルバム『Repeat When Necessary』（1979年）のオープニングトラックとして収録しました。この提供経緯については、コステロが「酔った勢いで」エドモンズに曲を譲ってしまったという逸話が残っています。エドモンズ自身は当時のことを振り返り、「エルヴィスがある日スタジオに来て、『この曲あげるよ』とカセットをくれた」と語っています。しかし、そのデモは「ギター一本で、ものすごい速さの演奏」であり、最初は意図が掴めなかったものの、自身が手掛けた新しいアレンジと雰囲気を大変気に入ったそうです。ただし、コステロがその最終的なアレンジを気に入ったかどうかについては、「彼は非常に感情的な人で、気に入らないものはすぐにすぐに指摘するタイプだから」と述べつつも、「わからない」としています。

1979年6月にシングルとしてリリースされたエドモンズ版「ガールズ・トーク」は商業的に大きな成功を収め、全英シングルチャートで最高位4位を記録し、11週間にわたりチャート圏内に留まりました。これは、デイヴ・エドモンズにとってイギリスにおける最後のトップ10入りを果たしたシングルとなりました。

コステロ自身のバージョン

作曲者であるエルヴィス・コステロ自身も、後にこの曲をセルフカバーしています。彼のバージョンは、シングル「I Can't Stand Up for Falling Down」（1980年）のカップリング曲として発表されました。このコステロによるバージョンは、その後の彼のライブツアーにおいて、しばらくの間セットリストの定番曲として頻繁に演奏されるようになりました。

楽曲に込められた意味

コステロの楽曲にしばしば見られるように、「ガールズ・トーク」の歌詞も多義的な表現に満ちており、一見すると意味が捉えにくい部分があります。例えば、「たとえあなたが古風な女の子ではないとしても、いずれ時代遅れになるでしょう（though you may not be an old-fashioned girl, you're still going to get dated）」といったフレーズには、複数の解釈が可能です。2002年に再発されたアルバム『Get Happy!!』のライナーノーツの中で、コステロ自身はこの曲のテーマが、女性たちの噂話、いわゆるゴシップであると明かしています。

ミュージックビデオ

デイヴ・エドモンズによる「ガールズ・トーク」には、公式のミュージックビデオが存在します。このビデオでは、エドモンズと彼のバックバンドであるロックパイルが、ニューヨーク市マンハッタンのミッドタウンにあるワーナー・ブラザース・レコードのビルの屋上で演奏する様子が中心に描かれています。同時に、マンハッタンの街中を歩く様々な人々の姿もインサートされており、都会的な雰囲気が演出されています。

評論家たちの視点

音楽評論家からの評価も概ね肯定的です。オールミュージックのスチュワート・メイソンは、コステロが歌唱時に見せる「抑えた脅し」のような表現力を称賛し、「当時のコステロの作品の中でも特に辛辣な部類に入る歌詞が見られる」と指摘しています。一方、ローリング・ストーン誌のデブラ・レイ・コーエンは、エドモンズによる演奏を「横柄で乱暴」と評しながらも、コステロ自身が歌うバージョンについては、「神経質に震える声」と「足音のように響くソフトなキーボードの音」が、この曲本来の「偏執狂的な土台」をより鮮明に引き出していると述べています。

その他のバージョン

「ガールズ・トーク」は、多くのアーティストによってカバーされています。特に知られているものとしては、1980年にリンダ・ロンシュタットが自身のアルバム『激愛 (Mad Love)』でカバーしたバージョンがあります。その他にも、2006年にはオーストラリアのバンド、リヴィング・エンドがシングル「Wake Up」のカップリングとして、また2013年にはマシュー・スウィートとスザンナ・ホフスがデュオアルバム『Under the Covers, Vol. 3』の中でこの曲を取り上げています。

これらの多様なバージョンが存在することからも、「ガールズ・トーク」が時代を超えて多くのミュージシャンに影響を与え続けている楽曲であることがわかります。

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