マシュー・スウィート:音楽と日本文化への愛
マシュー・スウィート(Matthew Sweet、
1964年10月6日生まれ)は、
アメリカ合衆国ネブラスカ州出身の
シンガーソングライターです。彼は、
オルタナティヴ・ロックと
パワー・ポップのジャンルで独自の地位を確立し、多くのファンを魅了してきました。
初期のキャリアと成功への道
大学進学を機に
ジョージア州へ移り住んだスウィートは、Oh-Okというバンドで音楽活動を開始します。このバンドには、
R.E.M.のマイケル・スタイプの妹も在籍していました。その後、Buzz of Delightというバンドでも活動しましたが、ソロアーティストとしての道を歩むことを決意し、
コロムビア・レコードと契約。
1986年にデビューアルバム『Inside』を発表しました。しかし、商業的な成功には恵まれず、コロムビアとの契約は終了してしまいます。
1989年には
A&Mレコードからアルバム『アース』を発表。ロバート・クワイン(元リチャード・ヘル&ヴォイドイズ)やリチャード・ロイド(元テレヴィジョン)といった実力派ミュージシャンが参加しましたが、期待されたほどの成功は収められませんでした。
『ガールフレンド』とブレイク
1991年、Zoo Entertainmentから3枚目のアルバム『ガールフレンド』を発表。前作に引き続き、ロバート・クワインとリチャード・ロイドが参加し、
Billboard 200にチャートイン(最高100位)を果たしました。このアルバムは、彼のキャリアにおける転換点となり、その後の活躍を後押しします。続くアルバム『オルタード・ビースト』(
1993年)は、全米75位に達しました。
1994年には、
カーペンターズのトリビュート・アルバム『
イフ・アイ・ワー・ア・カーペンター〜[[カーペンターズに捧ぐ]]』に参加し、
リチャード・カーペンターとの共演も実現しています。
ブレンダン・オブライエンとのコラボレーションと映画出演
『100%ファン』(
1995年)と『ブルー・スカイ・オン・マーズ』(1997年)は、
パール・ジャム等との仕事で知られるブレンダン・オブライエンがプロデュースを担当しました。また、1997年公開の映画『
オースティン・パワーズ』では、劇中バンドMing Teaのメンバーとして出演。スウィートは、同シリーズの『
オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』(
2002年公開)でも、同じ役柄のSid Belvedereとして出演しています。
その後の活動:ザ・ソーンズ結成とソロ活動
2002年には、
カウンティング・クロウズのアルバム『ハード・キャンディ』にゲスト参加。また、ショーン・マリンズやピート・ドロージと共にザ・ソーンズ(The Thorns)を結成しました。
2003年3月には、日本企画のソロアルバム『キミがスキ・ライフ』を
エイベックスから発表(ジャケットデザインは
奈良美智が担当)。同年7月には、ザ・ソーンズのファーストアルバム『ザ・ソーンズ』を発表しました。ザ・ソーンズは、
ジョン・メイヤーやディクシー・チックスのツアーに帯同し、その後スウィートはソロ活動に戻ります。
2004年のアルバム『リヴィング・シングス』には、
ヴァン・ダイク・パークスがゲスト参加。また、ハンソンのアルバム『アンダーニース』のタイトル曲を、ハンソンのメンバー3人と共作しています。
2006年には、映画『
オースティン・パワーズ』シリーズでも共演したスザンナ・ホフスとの連名で、カバーアルバム『アンダー・ザ・カヴァーズ Vol. 1』を発表。
ビートルズ、
ニール・ヤング、ラヴ、
ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、
ゾンビーズ、
ママス&パパス等の楽曲を取り上げました。
2008年には、アルバム『サンシャイン・ライズ』を発表。
2009年にもスザンナ・ホフスとのデュオで、カバー集第2弾『アンダー・ザ・カバーズ -グレイテスト・ポップ・パラダイス-』を発表しています。
日本文化への愛
スウィートは、日本の
漫画や
アニメのファンとして知られています。「ガールフレンド」のミュージックビデオで『コブラ』を、「アイヴ・ビーン・ウェイティング」で『
うる星やつら』を使用したことは有名です。『100%ファン』日本盤初回CDのブックレットには、スウィートが好きな作品のトップ10リストが記載されています(『AKIRA』『
ダーティペア』『
うる星やつら』『コブラ』『
アウトランダーズ』『
クライング フリーマン』『
バブルガムクライシス』『
らんま1/2|らんま1_2』『
風の谷のナウシカ』『キャラバン・キッド』)。また、腕にはラムのタトゥーを入れていることからも、彼の日本文化への深い愛情がうかがえます。
マシュー・スウィートの音楽は、彼の多様な才能と日本文化への愛によって彩られています。これからも、彼の音楽活動から目が離せません。