キチェヴォ

キチェヴォ（Kičevo）

キチェヴォは、北マケドニア西部に位置する都市です。ビストラ山の南東斜面の谷間にあり、オフリドとゴスティヴァルの間に位置します。首都スコピエからは112km離れており、キチェヴォ基礎自治体の中心地となっています。周辺には中世以来の修道院など、多くの正教会の建築物があります。

人口構成

キチェヴォ市街には27,067人が居住しています（最新の国勢調査データに基づき更新が必要）。マケドニア人が多数派を占め、アルバニア人、トルコ人がそれに続きます。民族構成は以下の通りです。

マケドニア人: 15,031人 (55.5%)
アルバニア人: 7,641人 (28.2%)
トルコ人: 2,406人 (8.9%)

歴史

キチェヴォの歴史は古く、1018年のビザンティン帝国時代の記録にその名を見ることができます。バシレイオス2世の文書や、オフリド大主教座のテォフィラクトによる言及が残されています。オスマン帝国時代には、この地域の軍事・行政の中心地として発展しました。その時代の重要な建造物としては、丘の麓に建てられた時計塔（キチェヴォ・カレ）が挙げられます。

19世紀後半、内部マケドニア革命組織（VMRO）の活動がキチェヴォ周辺で活発化しました。ボゴロディツァ・プレシスタ修道院の聖職者ヨシフが中心となり、近隣の村の教師たちの支持を得て運動を推進しました。1878年には、ヨシフとペレ・トシェヴがドゥコ・タシェヴ率いる最初の軍事組織をキチェヴォで結成しました。1903年8月2日、キチェヴォ市民はヨルダン・ピペルカタらに率いられ、マケドニアの独立闘争に参加しました。

20世紀に入り、1919年にキチェヴォを含むマケドニア地域はユーゴスラビア王国に統合されました。第二次世界大戦中には、イタリア王国軍によって占領されましたが、1943年9月9日、アルバニア人とマケドニア人のパルチザンによる合同作戦により、イタリア軍から解放されました。

ゆかりの人物

キチェヴォ出身の著名人には、以下のような人物がいます。

ヴラトコ・ロザノスキ: 歌手
ベサルト・イブライミ: サッカー選手
ブラド・タネスキ: ジャーナリスト・連続殺人犯


キチェヴォは、多様な文化と歴史が織りなす魅力的な都市です。古代から現代に至るまでの歴史的変遷をたどり、その豊かな文化遺産に触れてみてください。

もう一度検索