キティホーク (空母)

USS Kitty Hawk (CVA-63)

キティホーク（USS Kitty Hawk, CVA-63）は、アメリカ海軍のキティホーク級航空母艦の初代艦であり、1956年に起工し、1961年に就役しました。この艦は、ライト兄弟が初めて有人動力飛行に成功したノースカロライナ州の町「キティホーク」にちなんで名付けられました。同じ名前を持つ艦としては、第二次世界大戦に活躍した航空機輸送艦キティホークに次いで二隻目となります。キティホークは原子力でなく、通常動力型空母として、多くの任務を歴史的に遂行してきました。2009年1月に退役するまで、アメリカ海軍の重要な戦力として活躍していました。

艦歴の始まり

キティホークは1956年1月27日にニュージャージー州カムデンのニューヨーク造船所で起工され、その後1960年5月に進水、1961年に正式に就役しました。艦の就役当初、ソ連が空母建造に着手していたため、アメリカ政府はその運用に関する多角的な検証を行っており、キティホークはCIAが運用していたU-2A偵察機を用いた実験の一環として新たな空母戦略の尖兵になりました。西大西洋での整調後、1961年にキティホークはノーフォークを出発し、ブラジルやチリ、ペルーなど南米諸国を訪問しました。そして、艦上でのデモンストレーション活動を行い、外交的任務を果たしました。

ベトナム戦争への展開

キティホークは1965年10月にサンディエゴを出航し、ベトナム沖合へ向かいました。1965年11月から1966年5月にかけて、艦載機部隊は北ベトナムへの攻撃を行い、この時の勇敢な行動により、海軍殊勲部隊章を受けました。キティホークはその後の数年間もベトナム戦争において重要な役割を果たし、数多くの任務を遂行しました。

改修と母港の変遷

1973年からは汎用空母への改修が行われ、サンディエゴからサンフランシスコに母港を移しました。この改修によって、対潜作戦が主な目的となり、キティホークは太平洋艦隊において初めての汎用空母となりました。その後も様々な中東作戦に参加し続け、特に湾岸戦争には不参加でありました。

横須賀への配備

1998年7月、キティホークはサンディエゴを出航し、日本の横須賀海軍施設に配備されました。この時、キティホークはアメリカ本土以外を事実上の母港とする唯一の空母として活動を開始し、2001年のアフガニスタン紛争やその後の大規模修理を経て、活動を続けました。2008年には退役の準備が整い、ハワイに向けて出航、その後はアメリカ本土に帰還しました。

退役とその後

最終的に、キティホークは2009年1月31日に公式に退役しました。退役式典には多くの艦員や家族、軍高官が出席し、艦の歴史に別れを告げました。キティホークの退役後、その後継艦に関する議論があったものの、アメリカ海軍はニミッツ級原子力空母の配備を決定しました。その後、キティホークはスクラップ会社に売却され、解体作業が行われました。キティホークは多くの歴史的な任務を通じて海軍の戦力として重要な役割を果たし、その影響は今なお色褪せることはありません。

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