キプロス航空

キプロス航空の歴史と概要

キプロス航空（Cyprus Airways）は、1947年9月24日に設立された国営航空会社で、キプロスを拠点に運航を行っていました。設立当初は英国の航空会社である英国欧州航空（BEA）やキプロス政府の出資を受け、運航を開始しました。当初のフリートはダグラスダコタの3機で、ニコシア国際空港を中心に、アテネやロンドン、ベイルートなどの都市に就航していました。1940年代から1950年代にかけて、保有機材は徐々に増加し、ダコタ機を6機保有するに至ります。

キプロス共和国の独立と成長

1960年、キプロス共和国が独立を宣言した後、キプロス航空は新政府を主な出資者として経営を行いました。この頃から、キプロス人の乗務員も増え、国民的な航空会社としての基盤が整えられました。また、1960年代の中頃にはBEAからリースしたバイカウント機を導入し、新たにテルアビブ、エルサレム、カイロなどへの就航を開始しました。この時点で、機体には初めて特徴的なムフロンのロゴマークがあしらわれました。

1970年代初めには、バイカウントに代わってトライデント機を導入し、フランクフルトやマンチェスター、ブリュッセル、パリなどの欧州路線が拡充され、サービスの幅が広がりました。しかし、1974年のトルコ軍の軍事介入により、ニコシア国際空港は国連の管理下に置かれることになり、航空会社は大きな打撃を受けました。トライデントの1機が破壊され、残りの機材も収容され、運航を維持することが困難になりました。この危機を経て、1975年にはラルナカ国際空港の建設が進められ、新たにブリティッシュミッドランド航空からリースしたバイカウントで運航を再開しました。

現代の展開と経営危機

1991年からは、キプロス航空の機材に古代の都市や王の名前が付けられるようになりました。1992年にはチャーター便専門の子会社、ユーロキプリア航空を設立し、さらには2003年からアテネを拠点にするヘラス・ジェットを設立して欧州路線の運航も展開しました。

しかし、リーマン・ショック以降、キプロス航空は経営危機に陥り、政府による財政支援が欧州理事会で違法と判断されたため、運営は厳しい状況に置かれました。最終的には、2015年1月9日に運航を停止し、その長い歴史に幕を下ろすこととなりました。

最末期の運航路線と提携

キプロス航空が運航していた最末期の路線は、アムステルダム、アテネ、テッサロニキ、パリ、フランクフルトなどがあり、中近東にも多数の便を持っていました。また、様々な航空会社とのコードシェア提携も行い、エティハド航空、エールフランス航空、KLMオランダ航空などと協力していました。最終的には、6機のエアバスA320を運航していました。

新しい運航の始まり

2016年には、チャーリー・エアラインズがキプロス政府とブランド供与契約を結び、2017年6月には新たにラルナカとサンクトペテルブルクを結ぶ路線で運航を開始しました。この新たな運航は、旧法人と同じIATAコードを使用し、地域における航空輸送を再び盛り上げる試みの一環となっています。

もう一度検索