ラルナカ

ラルナカの概要

ラルナカ（ギリシア語: Λάρνακα、トルコ語: Larnaka, 英: Larnaca）は、キプロス共和国に位置する重要な都市で、同国の第2の商業港です。2001年のデータでおよそ72,000人の人口を持つこの都市には、ラルナカ国際空港があり、特に夏季には観光客で賑わいます。かつては「キティオン」として知られ、古代ギリシア時代から多くの歴史的背景を持つ地域です。また、ストア学派の創始者であるゼノンの出身地としても名を馳せています。

現在のラルナカは北側に石油精製所と国際空港が広がり、南側は美しい椰子の木が見られる海岸が続いています。毎年初夏には「カタクリスモス」という祭りが行われ、ノアの方舟に関する神話を祝います。この地は一部が国際連合によって分断されており、北側には北キプロス・トルコ共和国が位置しています。

歴史

ラルナカの歴史は非常に古くさかのぼり、紀元前13世紀には古代王国都市キティオンとして栄えていました。この時期に、アカエアからの移住者がやって来るなど、政治体制にも大きな変化があったとされています。また、キティオンには古代の遺構が今も残っており、キュクロープス様式の城壁や聖堂、海港の跡が見られます。

キティオンは、古代アケメネス朝ペルシアの支配下にもあり、西暦前450年にはアテナイの将軍キモンが亡くなった場でもあります。紀元前58年、プトレマイオス朝エジプトの影響下にあったこの地域はローマ帝国に併合され、新たに設置されたキュプルス属州に編入されました。1757年にはカマレス水道橋が建設され、近隣の水源から水を引く工事が行われました。

名所

ラルナカの観光名所には、聖ラザロ教会やハラ・スルタン・モスク、カマレス水道橋、そしてラルナカ城などがあります。街の中心部では、「椰子の木通り」と呼ばれる海岸沿いの大通りが美しいヤシ並木で知られ、観光客にとって訪れる価値があります。ここには古代哲学者ゼノンの像や、アテナイのキモンの胸像が設置されています。

多様な博物館も魅力の一つで、ラルナカ地区考古学博物館やヒエリデス博物館、そしてキリアジス医学博物館などがあります。また、市街地北部にはキティオン遺跡があり、歴史を感じることができます。

交通

ラルナカは交通の要所でもあり、ラルナカ国際空港が市街地から約4km南西にあり、キプロス国内でも最大規模を誇ります。さらには、リマソール港とともに、商業的にも重要な役割を果たしています。市内の交通手段としては、バスが主に運行されており、公共バスは空港やニコシア、リマソール、パフォスといった都市間を結びつけています。

スポーツと姉妹都市

ラルナカには、アノルトシス・ファマグスタというサッカークラブがあり、1974年の北キプロス占領以降ここを本拠地にしています。同クラブはキプロスのクラブとして初めてUEFAチャンピオンズリーグに出場した実績もあります。また、ラルナカはさまざまな国や都市との姉妹都市関係も結んでおり、国際的な交流も活発です。

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