キミン・キム

キミン・キム：才能と努力で開花したバレエ界の星

キミン・キム（Kimin Kim）は、1992年10月28日、韓国ソウルに生まれました。彼は、韓国芸術総合学校でバレエの基礎を学び、その才能を開花させました。在学中には、名門マリインスキー・バレエの研修生として研鑽を積む機会を得ています。

ロシア・バレエとの出会いとマリインスキーへの入団

キミンにとって幸運だったのは、ウラジーミル・キムとマルガリータ・クリークという2人の優れた指導者に出会えたことです。特にウラジーミル・キムは、サンクトペテルブルク出身で、かつてマリインスキー・バレエで活躍したダンサーでした。彼は、ダンサー引退後に韓国へ渡り、キミンにロシア・バレエの基礎を徹底的に教え込みました。この指導を通じて、キミンは高度な舞踊技術を習得し、マリインスキー・バレエを始めとするロシア・バレエへの憧れを強く抱くようになりました。本人の言葉を借りれば、「いつかマリインスキー・バレエで踊りたい」という強い願望が、日々の努力を支えていたと言います。

マリインスキー・バレエの芸術監督ユーリー・ファテーエフは、キミンの才能を見抜き、ザンダー・パリッシュと共にマリインスキー・バレエに入団させました。ファテーエフは、少年時代のキミンについて、「17歳にして素晴らしいテクニックの潜在力があり、ジャンプも信じられないくらい軽やかでした。（中略）芸術性を磨いていったとき、彼からは感動的な表現力が生まれました」と高く評価しています。

2012年11月、キミンは外国人としては初めてファースト・ソリストとしてマリインスキー・バレエに正式に入団しました。これは、彼の才能と努力が結実した瞬間でした。2015年4月には、プリンシパル・ダンサーに昇進し、バレエ界における確固たる地位を確立しました。

卓越した技術と表現力

キミンの踊りの特徴は、卓越した技術に裏打ちされたダイナミックなスケールと、洗練された表現力です。彼は、技巧をひけらかすことなく、常に抑制の効いた踊りを披露します。その抑制の効いた踊りこそが、彼をマリインスキー・バレエのトップダンサーへと押し上げた要因と言えるでしょう。プリンシパル昇進について、キミンはファテーエフへの感謝の気持ちを述べるとともに、「以前はただ踊りたいという気持ちだけでしたが、いまは責任感がどんどん大きくなっています。（中略）踊りが大好きで、みなさんに喜んでいただきたいという気持ちはずっと変わりません」と決意を新たにしました。

多彩なレパートリーと海外での活躍

マリインスキー・バレエでは、『ジゼル』、『白鳥の湖』、『ドン・キホーテ』、『くるみ割り人形』などの古典作品の主役を数多く踊りこなしています。その他、『ラ・バヤデール』のソロルや金の仏像、『ジュエルズ』のルビー、『シンフォニー・イン・C』、『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』、『愛の伝説』のフェルハド、『シルヴィア』のアミンタなど、幅広いレパートリーを持っています。2015年には、アメリカン・バレエ・シアターとパリ・オペラ座バレエ団に客演し、『ラ・バヤデール』で主演を務め、国際的な舞台でも高い評価を得ました。

日本との縁と親しみやすい人柄

キミンは、マリインスキー・バレエ入団後初の国外公演が日本だったことから、日本を「私にとって特別な場所」と語っています。『NARUTO -ナルト-|NARUTO_-ナルト-』や『ONE PIECE』など日本のアニメが好きで、「日本語も勉強したいし、日本でもっと踊りたい」と述べるなど、日本文化への関心も高いようです。また、マリインスキー・バレエにイギリス人として初めて入団したザンダー・パリッシュとは、親友として知られています。パリッシュはキミンについて、「人間的にも素晴らしい人。ユーモア・センス抜群でいつも笑わせてくれる」と評しており、その人柄の良さがうかがえます。

キミン・キムは、その才能と努力、そして親しみやすい人柄で、世界中のバレエファンを魅了し続けています。彼の今後の活躍から目が離せません。

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