キャンフォードクリフス

キャンフォードクリフス：欧州マイル戦線を制した名馬の軌跡

キャンフォードクリフスは、アイルランドで生まれ、イギリスで競走生活を送ったサラブレッドです。その名は、イギリスのドーセット州にある観光地、Canford Cliffsに由来しています。中団から鋭い末脚を発揮するレース運びを得意とし、ヨーロッパのマイル戦線において、類まれな活躍を見せました。

華々しいデビューとG1挑戦

当歳時には46,000ユーロで取引されたものの、1歳時に再出品され50,000ポンドで落札されました。1歳時の購入代理人は、その高いポテンシャルを高く評価しており、優れた体格と歩様を有していたと振り返っています。

2歳時のデビュー戦を圧勝で飾ると、続く重賞競走でも圧倒的な強さを見せつけました。しかしG1競走初挑戦となったモルニ賞では、惜しくも3着に敗れました。接戦を演じたこのレースは、キャンフォードクリフスの潜在能力の高さを示すものとなりました。

3歳時：G1競走連勝と惜敗

3歳シーズンは、2000ギニーで3着という結果から始まりました。しかし、続く愛2000ギニーでG1初制覇を達成すると、セントジェームズパレスステークスでも勝利し、勢いに乗りました。サセックスステークスではスタートで出遅れながらも、驚異的な末脚で強豪を差し切り、G1競走3連勝を達成。ワールド・サラブレッド・ランキングでも、このレースでのパフォーマンスが評価されました。しかしその後、喉の炎症を発症し、予定されていたクイーンエリザベス2世ステークスを回避。その後、ブリーダーズカップ・マイルなどへの出走も検討されましたが、実現しませんでした。年末には、馬主が所有権の一部をクールモアグループに売却しています。

4歳時：強豪との死闘と惜しまれる引退

4歳シーズン初戦のロッキンジステークスを制すると、続くクイーンアンステークスでは、G1競走13勝の強豪ゴルディコヴァと激闘を繰り広げ、勝利を収めました。このレースでのパフォーマンスも高く評価され、レイティングは前年と同じ127とされました。しかし、サセックスステークスでは、7戦無敗のフランケルに敗れ、2着に終わりました。その後、クイーンエリザベス2世ステークスでのリベンジマッチが計画されていましたが、左前脚の繋骨に故障が見つかり、引退が決まりました。

種牡馬としてのキャンフォードクリフス

2012年からクールモアスタッドで種牡馬入りしたキャンフォードクリフスは、初年度の種付料は17,500ユーロでした。シャトル種牡馬としてオーストラリアでも供用され、重賞勝ち馬を輩出しましたが、G1馬を輩出することはできませんでした。2017年には種付料が減額され、その後南アフリカ共和国のハイランズスタッドに売却されました。

キャンフォードクリフスの血統

父はモルニ賞勝ち馬のTagula、母父はセントジェームズパレスステークス勝ち馬のMarjuという、素晴らしい血統を受け継いでいました。母系には、重賞勝ち馬やG2競走勝ち馬も名を連ねています。

キャンフォードクリフスが残したもの

キャンフォードクリフスは、短距離戦で高い能力を示しながら、成長とともにマイル戦で真価を発揮する、珍しいタイプの競走馬でした。その類まれなスピードとスタミナ、そして強靭な精神力は、多くの競馬関係者に深い印象を与え、長く記憶される名馬となりました。彼の活躍は、これからも競馬史に刻まれ続けるでしょう。

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