キャンベラ駅

キャンベラ駅：シンガポールMRT南北線の新駅

キャンベラ駅は、シンガポールのセンバワン地区に位置するマス・ラピッド・トランジット（MRT）南北線の駅です。駅番号はNS12で、ドーヴァー駅に次いで2番目に設置された既開業区間における新駅となります。この駅は、人道橋と駅ホームが同じ高さで接続するという、シンガポール初の構造を採用しています。また、環境に配慮した素材の使用や、周辺景観との調和を重視した設計が特徴で、建築・建設庁の"Green Mark for Transit Stations"認証をMRT駅として初めて取得しました。

歴史

計画

1987年に開業した南北線は、1996年のウッドランズ延伸時にユー・ティー駅からセンバワン駅までが開業しました。この時、将来の駅設置を見越してNS6とNS12の駅番号が欠番とされました。2013年、陸上交通マスタープランと都市再開発庁の展示会で、センバワン駅とイーシュン駅間における新駅の構想が発表されました。その後の実現可能性調査を経て、2013年8月にキャンベラ駅の建設が正式に決定しました。

建設

建設費用は当初2億2800万シンガポールドルと見積もられましたが、2015年4月に陸上交通庁と中国建築シンガポール支社との間で、総額9000万シンガポールドルの契約が締結されました。建設工事は2016年3月に開始されましたが、その直前に発生した鉄道事故の影響を受け、作業員の安全確保を最優先とするため、営業終了後に線路を封鎖して工事を行うことになりました。2017年9月には駅構造の4割が完了し、2018年5月には工事全体の55%が完了、屋根もほぼ設置されました。2019年5月には駅北側に渡り線が設置され、輸送障害発生時の影響を最小限に抑えるための対策が施されました。2019年11月2日、キャンベラ駅は正式に開業しました。

駅構造

DP ArchitectsとKTP Consultants（現在はSurbana Jurongの子会社）が設計を担当しました。外観は船舶をイメージしており、センバワンのシンガポール海軍基地がモチーフとなっています。屋根はシンガポールの公共交通機関の速さを表現するために風車をイメージし、側壁には太陽光を取り入れるためにガラスが使用され、換気用のルーバーも設置されています。環境に配慮した素材の使用と、周辺景観に調和した設計が評価され、建築・建設庁の"Green Mark scheme for transit stations"にMRT駅として初めて認定されました。駅構内には、シンガポールのアーティストであるタン・ジー・シーによるアートワーク"Symbiosis"が展示されており、植物や動物の共生関係を表現しています。

駅には5つの出入口があり、4つはバス停、タクシー乗り場、駐輪場に接続しています。残りの1つはキャンベラ・リンクを横断する人道橋に直結しており、マリーナ・サウス・ピア駅方面のホームへ直接アクセス可能です。

駅周辺

キャンベラ駅はセンバワンの東部に位置し、イーシュンの住宅街やスンゲイ・シムパン・キリ川に近接しています。開業前には約17,000世帯が恩恵を受けると予想されました。駅は人道橋を通じてキャンベラ・プラザという3階建てのショッピングモールに接続しており、これは住宅開発庁によって計画された複合公共交通指向型開発の一環です。

駅名の由来

駅名は並行する道路であるキャンベラ・リンクに由来し、この道路名はオーストラリアの首都キャンベラにちなんで名付けられました。

隣接駅

シンガポールMRT

南北線

センバワン駅 (NS11) - キャンベラ駅 (NS12) - イーシュン駅 (NS13)

脚注

Canberra Station (MRTキャンベラ駅の陸上交通庁サイト)
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