キリスィマスィ島

キリスィマスィ島（クリスマス島）

キリスィマスィ島、別名クリスマス島は、キリバス共和国に属する島で、広大な面積388平方キロメートルを誇る、世界最大級の珊瑚礁の島です。1777年のクリスマスの日にジェームズ・クックが到達したことにちなんで名付けられました。この島は、地球上で最も早く新しい一日が始まるUTC+14の時間帯に位置しています。

ローマ字表記では「キリティマティ島」とも呼ばれますが、キリバス語の発音では「ti」は「スィ」に近い音になります。

歴史と住民

クックが発見する以前は、ポリネシア人が一時的に利用していましたが、定住者はいませんでした。現在の住民はミクロネシア系が主体で、主にキリバス語（または英語）を話します。地理的にはポリネシアに属していますが、文化的にはギルバート諸島と繋がりが深く、ミクロネシアの文化も色濃く残っています。

主な集落としては、タブケア、ロンドン、バナナ、ポーランドなどが挙げられます。

産業

キリスィマスィ島の主要産業は、観光業と天日塩製造です。観光客は、ダイビングやバードウォッチングなどのレジャーを楽しんでいます。また、「クリスマス島の塩」として知られる天日塩は、特産品として有名で、日本のカルビーがポテトチップスのフレーバーとして期間限定で採用したこともあります。

交通

フィジー・エアウェイズが、ホノルル - ナンディ間の路線で、週に一度キリスィマスィ島に寄港しています。2008年に滑走路の状態が悪化し一時運休となりましたが、改修後2010年に再開されました。

核実験の歴史

1950年代から1960年代にかけて、キリスィマスィ島は核実験の舞台となりました。1957年から1958年にかけてイギリスが、1962年にはアメリカが、合計20回以上もの大気圏内核実験を実施しました。特にアメリカによる実験は大規模で、2ヶ月半の間に24回も行われました。

実験は島の南東部や、島から離れた高空で行われたため、放射線の影響は比較的少なかったとされています。しかし、実験当時島にいた住民やイギリス兵士の間で、放射能によるものと思われる疾病が広まり、訴訟に発展する事態となりました。

日本の宇宙開発との関わり

キリスィマスィ島は、日本のロケット打ち上げにおいて重要な役割を果たしました。種子島や内之浦から打ち上げられる人工衛星の軌道が島のほぼ真上を通るため、追跡やテレメトリ受信のための地上局が1976年に島の南東部に建設されました。この施設は、1977年のN-Iロケット3号機の打ち上げから使用され、日本初の静止衛星「きく2号」の追跡に貢献しました。その後、H3ロケットの開発に合わせて設備が更新されています。

また、宇宙開発事業団（NASDA）は、無人宇宙往還機HOPE-Xの着陸実験場をキリスィマスィ島に建設する計画を持っていました。放棄されていたイーオン飛行場を20年間無償で借用する協定をキリバス政府と締結しましたが、HOPE-X計画自体が凍結されたため、実験場建設計画も中止となりました。ただし、HOPE-Xプロジェクトの一環である高速飛行実証実験 (HSFD) フェーズI飛行実証は、2002年9月から11月にかけて実施されました。

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