キリスト教社会党 (オーストリア)

キリスト教社会党（オーストリア）

キリスト教社会党（ドイツ語: Christlichsoziale Partei、略称: CSまたはCSP）は、オーストリア・ハンガリー帝国およびオーストリア第一共和国において、カトリックの立場を重視する保守政党として活動しました。

歴史

成立と初期の活動

キリスト教社会党の成立時期については諸説ありますが、1890年代初頭にカール・ルエーガーのもとで結成されたことは確かです。カトリックの価値観を重視し、中小企業や聖職者、保守的な農村部、ハプスブルク家を支持基盤としていました。また、プロテスタントが中心のドイツからの影響を排除しようとするオーストリア・ナショナリズムの傾向も有していました。

第一次世界大戦と共和制への移行

1907年には、キリスト教社会党は帝国議会で第一党となりましたが、1911年には社会民主労働党にその座を奪われました。第一次世界大戦が勃発すると、当初はオーストリア政府とハプスブルク家を支持しましたが、戦況が悪化するにつれて、党内は君主制支持派と共和制支持派に分裂しました。最終的に1918年、党は共和制を支持する決定を下し、ヨハン・ナポムク・ハウザーが党首に就任しました。

オーストロファシズム体制への移行と解散

オーストリア革命後の選挙では、キリスト教社会党は社会民主労働党に次ぐ第二党となり、社会民主労働党や大ドイツ人民党と連立政権を樹立しました。1932年には、農民同盟や護国団との連立により、キリスト教社会党のエンゲルベルト・ドルフースが首相に就任しました。しかし、ドルフースはイタリアのムッソリーニのファシズムを模範としたオーストロファシズム体制を構築しようと試みました。1933年には議会を停止し、戒厳令を敷き、祖国戦線を設立。社会民主労働党を解散させ、その後キリスト教社会党も解散しました。

第二次世界大戦後

ナチス・ドイツによるアンシュルスを経て、第二次世界大戦後には、キリスト教社会党の後継政党としてオーストリア国民党が結党されました。

主な党首

1893年 - 1910年: カール・ルエーガー
1910年 - 1918年: アロイス・フォン・リヒテンシュタイン
1918年 - 1920年: ヨハン・ナポムク・ハウザー
1920年 - 1921年: レオポルド・クンシャク
1921年 - 1930年: イグナーツ・ザイペル
1930年 - 1934年: カール・ヴォーゴワン
1934年: エメリッヒ・チェルマック

著名な党員

イグナーツ・ザイペル
エンゲルベルト・ドルフース
クルト・シュシュニック
* ヴィルヘルム・ミクラス

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