キングストン (オンタリオ州)

キングストン：歴史と自然、そして教育が融合するカナダの都市

カナダのオンタリオ州南東部、オンタリオ湖畔に位置するキングストンは、歴史と自然、そして活気あふれる教育都市として知られています。セントローレンス川とリドー運河の起点という地理的利点を活かし、古くから重要な交易拠点として栄えてきました。石灰岩造りの建物が立ち並ぶ美しい街並みは「ライムストーン・シティ」の愛称で親しまれ、観光客を魅了しています。

キングストンの歴史：先住民から現代都市へ

この地には、先住民族ミシサガ族の一派であるカタラクィ族が古くから居住していました。17世紀にはフランス人によって毛皮交易所兼要塞「フォート・フロンテナック」が築かれ、その後、イギリスとフランスの勢力争いの舞台となりました。七年戦争ではイギリス軍によって破壊されましたが、アメリカ独立戦争後には、イギリスへの忠誠を誓ったアメリカ人難民を受け入れ、発展を遂げました。

1812年の米英戦争では、イギリス海軍の基地として重要な役割を果たし、オンタリオ湖の制海権を巡ってアメリカ海軍と激しく争いました。戦争後は、リドー運河の起点を守るため、円形砲台を備えたフォートヘンリーが築かれ、現在も観光名所として人気です。リドー運河の完成によって、キングストンは軍事、経済の中心地として発展し、1838年には町制、1846年には市制が施行されました。

興味深いことに、キングストンはカナダの首都候補の一つでもありました。1841年から1844年にかけて、短期間ですがカナダの首都として機能し、最初のカナダ議会が開かれた歴史も持ちます。初代首相ジョン・A・マクドナルドの出身地でもあります。しかし、アメリカに近すぎるという理由から、首都機能はオタワに移転されました。19世紀後半から20世紀前半にかけては、造船や機関車製造が盛んでしたが、その後は教育機関や軍事施設、サービス業が中心産業となっています。

キングストンの経済：多様な産業と成長

キングストンの経済は、公共部門と産業部門に大きく支えられています。ヘルスケア、教育、政府関連（軍事施設や刑務所を含む）、観光が主な産業です。製造業や研究開発は縮小傾向にありますが、民間企業が雇用全体の約半分を占めています。地理的な位置から、トロント、オタワ、モントリオール、ニューヨーク州シラキュースを結ぶトラック輸送の物流拠点としての役割も担っています。

主な雇用主としては、クイーンズ大学、カナダ軍キングストン基地、キングストン健康科学センターなどが挙げられます。また、数多くの矯正施設が所在しており、カナダ更生サービスも重要な雇用創出源となっています。観光産業も盛んで、2004年には約3,500人の雇用を生み出していました。

キングストンの観光：歴史と自然を満喫

キングストンには、米英戦争やカナダ建国といった歴史を物語る数多くの史跡や観光名所があります。市庁舎、フォートヘンリー、ベルビューハウスなどは国定史跡に指定され、多くの観光客が訪れます。また、サウザンドアイランズのクルーズの拠点としても人気があります。

キングストンの教育：名門大学と充実した教育環境

キングストンは、カナダを代表する名門大学クイーンズ大学を擁する教育都市です。このほか、カナダ王立軍事大学、セント・ローレンス・カレッジなど、教育機関が充実しており、多くの学生が学んでいます。

キングストンの交通：陸海空のアクセス

キングストンは、オンタリオ州高速道路401号線、リドー運河、キングストン・ノーマン・ロジャース空港などを擁し、陸海空と様々な交通手段でアクセス可能です。VIA鉄道も停車し、カナダ国内各地と結ばれています。また、ウルフ島への無料フェリーも運行されています。

まとめ

歴史と自然、そして活気あふれる教育都市キングストンは、カナダ東部を代表する魅力的な街です。美しい街並み、歴史的建造物、充実した教育環境、そしてサウザンドアイランズへのアクセスなど、多くの魅力を兼ね備えています。訪れる人々をきっと魅了するでしょう。

もう一度検索