キンメリッジアン

キンメリッジアンについて

キンメリッジアン（Kimmeridgian）は、約1億5730万年前から1億5210万年前に相当するジュラ紀の地質時代を指します。これは恐竜の栄えた時代であり、特にスーパーサウルスなどの大型恐竜が知られていることが特徴です。これに関連する代表的な地層として、モリソン累層があり、ここではキンメリッジアンから前期チトニアンにかけて堆積した重要な地質データが得られます。

層序学的な位置づけ

キンメリッジアンという名称は、イングランド・ドーセット海岸のキンメリッジ村に由来しています。この名称は1842年にフランスの博物学者であるアルシド・ドルビニによって発表されました。歴史的には、キンメリッジアンの基底は同じであるものの、最上部の定義が異なる国々によって異なる使い方をされています。つまり、英国ではポートランディアンの基底と定義され、フランスではチトニアンの基底とされています。この点に関しては国際層序委員会のタイムスケールにおいて、チトニアンがキンメリッジアンの上位に位置づけられています。このような経緯から、キンメリッジアンの定義には未解決の課題が残っています。

キンメリッジアンの基底と最上部

キンメリッジアン階の基底は、特定のアンモナイト種であるPictonia bayleiが初めて現れる地点で示され、英国内南海岸のキンメリッジがその模式地となっています。一方、最上部、すなわちチトニアンの基底は、別のアンモナイト種Hybonoticeras hybonotumが初めて出現する地点と一致しており、この地点は磁気異常M22Anの最上部とも合致します。

日本におけるキンメリッジアン

日本では、高知県の七良谷層で中部から上部のキンメリッジアン階のアンモナイトが発見されており、その中にアスピドセラス属も含まれています。また、この層からは最下部チトニアン階のHybonoticeras属のアンモナイトも確認されています。これらの属はテチス海地域を中心に、ゴンドワナ大陸の周辺から太平洋南部にかけて広く分布しています。興味深いことに、七良谷層は従来は鳥巣層群の直下に位置するものと考えられていましたが、実際にはキンメリッジアンとチトニアン階の地層が一部重複する可能性が示唆されています。

さらに、福島県の中村層群にある中ノ沢層もキンメリッジアン階に属し、ここではアンモナイト・二枚貝・巻貝・六放サンゴ・腕足動物・甲殻類・ウニ・ウミユリ・海生爬虫類といった多様な海洋生物の化石が多数出土しています。特に、石灰質砂泥底層と石灰質泥底層の二枚貝化石は、先述した鳥巣層群の豊富な二枚貝産出の種レベルで一致することが確認されています。これにより、当時の環境を推測する際の重要な証拠とされているのです。

このように、キンメリッジアンは恐竜と多様な海洋生物が共存していた興味深い地質時代であり、現在の研究も続いています。

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