キン肉マン マッスルタッグマッチ

概要

『キン肉マン マッスルタッグマッチ』は、1985年11月8日にバンダイから発売されたファミリーコンピュータ用対戦アクションゲームです。当時人気絶頂だった漫画『キン肉マン』を題材とし、アニメ版のデザインをベースにしたキャラクターたちが登場します。バンダイ初のファミコンソフトであり、ミリオンセラーを記録しました。対戦型格闘ゲームの概念がまだなかった時代に、2人対戦という革新的なコンセプトを打ち出した作品です。

プレミアバージョンとして、公式ゲーム大会の景品であるゴールドカートリッジ版と、集英社児童図書版（緑色のカートリッジ）の2種類が存在します。ゴールドカートリッジ版は、ゲーム内に好きなキャラクターを追加できる権利が与えられており、既存のキャラクター1名と差し替える形で、新たなキャラクターが追加されています。このゴールドカートリッジ版は、全国8地区の上位入賞者にのみ配布されたため、非常に希少価値が高く、オークションでは高額で取引されることもあります。また、偽物も出回るほどの人気を誇っています。

その後、ワンダースワンカラー版『キン肉マンII世 ドリームタッグマッチ』に「オリジナルモード」として移植されたほか、PlayStation 2版『キン肉マン マッスルグランプリ2 特盛』や、ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ 週刊少年ジャンプ50周年記念バージョンにも収録され、その人気は現代にも引き継がれています。

ゲーム内容

システム

ゲームは、2頭身で表現された8人の超人たちがタッグを組み、パンチ、キック、バックドロップなどの技を駆使して戦う対戦アクションゲームです。試合中にミート君が投げ入れる「命の玉」を取ると、一時的にパワーアップし、必殺技が使用可能になります。3回戦中2回勝利すると、1ステージクリアとなります。

十字キーで移動、Bボタンでジャンプが可能ですが、ジャンプ時にはわずかに体力を消耗します。Aボタンでパンチ、ジャンプ中にAボタンでキックが繰り出せます。また、相手の背後でAボタンを押すとバックドロップ、正面でAボタンを押すと相手をはじき飛ばすことが可能です。ロープに飛ばした相手にラリアート、ジャンプ中にドロップキックを繰り出すこともできます。ロープに向かってジャンプすると、フライングボディアタックを繰り出すことが可能です。自分のコーナーでAボタンを押すと、パートナーとタッチできますが、一度タッチすると、しばらくタッチできなくなります。

試合中、時折ミート君がリングサイドに現れ、「命の玉」を投げ込みます。これを入手すると、一定時間体が点滅し、体力が回復する、移動速度が上昇する、電気リングで痺れなくなるなどの効果に加え、キャラクター固有の必殺技が使用可能になります。

ステージ構成

ノーマルリング：通常のリング。
氷リング：氷でできたリングで、滑りやすい。
電気リング：ロープに電流が流れており、触れるとダメージを受ける。

登場キャラクター

通常版
キン肉マン：主人公。足は遅いが、必殺技の威力は高い。必殺技はキン肉ドライバー。
テリーマン：キン肉マンの親友。キン肉マンと同程度の足の遅さだが、必殺技の使いやすさが特徴。必殺技はブルドッキングヘッドロック。
ラーメンマン：元残虐超人。キック力が高い。必殺技は空手殺法。
ロビンマスク：正義超人。足が速く、バランスが良い。必殺技はタワーブリッジ。
バッファローマン：元悪魔超人。パンチ力が高い。必殺技はハリケーンミキサー。
ウォーズマン：ロビンマスクの弟子。必殺技のスピードと威力が高い。必殺技はベアークロー。
ブロッケンJr.：正義超人。飛び道具を持つが全体的な能力は低い。必殺技はナチスガス殺法。海外版ではジェロニモに差し替え。
アシュラマン：悪魔騎士。足が速い。必殺技はアシュラバスター。
ジェロニモ：海外版のみ登場。ブロッケンJr.の代わりに登場。必殺技はトマホーク投げ。
ゴールドカートリッジ版のみ
モンゴルマン：ラーメンマンと差し替え。必殺技は不明。
ペンタゴン：アシュラマンと差し替え。必殺技は不明。
ブラックホール：テリーマンと差し替え。必殺技は不明。
ザ・ニンジャ：ブロッケンJr.と差し替え。必殺技は不明。
加藤浩志：キン肉マンと差し替え。『ビー・バップ・ハイスクール』のキャラクター。

開発・影響

開発当初は、より多くの超人を登場させる予定でしたが、ROM容量の制限により、キャラクター数を絞り、2頭身に変更せざるを得なかったようです。また、ミート君の「命の玉」システムは、プロデューサーがゲームをプレイした際に、なかなか勝てなかったため、一発逆転の要素として導入されました。

ブロッケンJr.の必殺技「ナチスガス殺法」は、唯一の飛び道具で、当たると相手を動けなくさせる効果があったため、対戦時にブロッケンJr.の使用が禁止されるというローカルルールが生まれるほどでした。作者の嶋田隆司も、ゲームが下手だったため、子供との対戦ではブロッケンJr.をよく使っていたそうです。

評価

ゲーム誌『ユーゲー』では、「駆け引きが面白い対戦モードは非常に熱く、侮れない作品」と評価されています。『CONTINUE』では、「ミート君が登場すると、リング上はサバイバルゲームと化す」と評され、『別冊宝島』では「キャラゲーにありがちな手抜き感がなく、人気キャラとゲーム性がうまく融合している」と評価されています。

関連作品

まんが版ファミコン必勝法 キン肉マン マッスルタッグマッチ - 集英社、1986年3月31日。攻略本。アドベンチャーゲーム形式で解説。

外部リンク

キン肉マン マッスルグランプリ2 特盛
M.U.S.C.L.E.（英語） - MobyGames

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