ギャロレット

ギャロレット：20世紀アメリカ競馬を彩った名牝

ギャロレットは、アメリカ合衆国で生まれ育ったサラブレッドの牝馬です。類まれな強さを持ち、牡馬相手に幾多の激戦を繰り広げ、アメリカ競馬史にその名を刻みました。20世紀アメリカ名馬100選にも選出されている、まさに伝説的名馬と言えるでしょう。

華々しいデビューと若駒時代

1944年9月にデビューしたギャロレットは、2戦目で初勝利を収めると、その後も次々と勝利を重ねていきます。しかし、10月のセリマステークスではブッシャーに敗れ、最優秀2歳牝馬の称号を逃しました。これは生涯でブッシャーと唯一の対戦でした。

翌1945年、ギャロレットは驚異的な才能を見せ始めます。初戦で、後にケンタッキーダービーを制するフープジュニアを破り、その潜在能力の高さを証明しました。エイコーンステークスやピムリコオークスでは同世代の牝馬を圧倒し、エンパイアシティーステークスではベルモントステークスの優勝馬パヴォを下すなど、牡馬相手にも互角以上に戦い抜きました。ドワイヤーステークスでは僅差で2着という結果に終わりましたが、その実力はすでに牡馬の強豪たちと肩を並べるレベルに達していました。

年末には、ウエストチェスターハンデキャップやピムリコスペシャルステークスで、当時最強クラスの古馬であるアームドやスタイミーといった強豪と対戦。結果は勝利には至りませんでしたが、ギャロレットの名は着実に競馬ファンの間に広がり始めていました。

古馬としての大躍進

1946年、ギャロレットは故障により戦線離脱したブッシャーに代わり、古馬としてさらに大きな活躍を見せます。メトロポリタンハンデキャップでポリネシアンを破ると、続くブルックリンハンデキャップでは、生涯最高のレースと言われた大接戦の末にスタイミーを撃破。さらに、ベルデームハンデキャップでは126ポンドという重い斤量を背負いながら優勝を飾るなど、その強さはまさに圧倒的でした。この年の最優秀古牝馬にも選ばれ、その功績は高く評価されました。

その後も、6歳まで走り続け、クイーンズカウンティハンデキャップで再びスタイミーを破るなど、輝かしい勝利を積み重ねます。ウィルソンステークスでは連覇を達成し、カーターハンデキャップ、ホイットニーハンデキャップなどでも勝利を収め、通算21勝という輝かしい成績を残しました。72戦という多くのレースに出走し、2着も20回と、常に上位入賞を果たし続けた堅実さも持ち合わせていました。獲得賞金は44万5535ドルに達し、当時の牝馬の新記録を樹立しました。この記録はブッシャーの記録を10万ドル以上更新するものでした。

牡馬中心の競馬界で

1940年代当時、古牝馬路線は確立されておらず、牝馬は古馬になると牡馬との対戦を強いられていました。そんな時代において、ギャロレットは数々の強豪牡馬をハンデ戦で打ち破り、大勢のファンを魅了しました。その人気は絶大なものがありました。

栄光と記憶

ギャロレットの主な勝鞍は、1945年のエイコーンステークス、ブラックアイドスーザンステークス、デラウェアオークス、1946年のメトロポリタンハンデキャップ、ブルックリンハンデキャップ、ベルデイムステークス、1947年のクイーンズカウンティハンデキャップ、ウィルソンステークス、そして1948年のウィルソンステークス（連覇）、カーターハンデキャップ、ホイットニーハンデキャップなど数え切れないほどの数があります。

1946年には最優秀古牝馬賞を受賞し、1953年にはピムリコ競馬場にギャロレットハンデキャップステークスが創設されました。1962年にはアメリカ競馬名誉の殿堂博物館入りを果たし、1999年にはブラッド・ホースの選ぶ20世紀のアメリカ名馬100選で45位にランクイン。その偉大な功績は、今もなお語り継がれています。

ギャロレットは、数々の伝説を残し、アメリカ競馬史に不滅の足跡を刻んだ、真の偉大な名牝でした。

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