ギンポ亜目

ギンポ亜目 (Blennioidei)

ギンポ亜目は、スズキ目Percomorphaceaeに属する多様な魚類のグループです。温暖な海に広く分布し、沿岸の浅い海、サンゴ礁、岩礁などでよく見られます。体長は比較的小さく、鮮やかな色彩や独特な模様を持つ種類も多く、観賞魚としても人気があります。

概要

ギンポ亜目の魚類は、その多様性が魅力です。熱帯・亜[[熱帯]]の海に生息するヘビギンポ科やイソギンポ科、温帯域に生息するアサヒギンポ科やコケギンポ科など、生息環境によって異なる特徴を持っています。体長は15cm未満のものが多く、食用として利用されることは少ないですが、その美しい外見から観賞魚として親しまれています。

特徴

体型: 細長い体型で、ハゼに似たものが多いです。
皮弁: 頭部に特徴的な皮弁を持つ種類が多く、これは種の識別にも役立ちます。皮弁は、吻、鼻部、眼の直上、うなじなどに存在し、形状も様々です。
鰭: 腹鰭は胸鰭よりも前に位置し、1本の棘条と2-4本の軟条を持ちます。臀鰭の棘条は0-2本で、腹鰭と臀鰭の軟条は分枝しません。
骨格: 咽鰓下骨の第二・第四番を欠き、第一番がある場合は軟骨状であること、第一上鰓骨の鉤状突起を欠くことなどが特徴です。

分類

ギンポ亜目は、以下の6科に分類され、136属818種が含まれます。

1. ヘビギンポ科 (Tripterygiidae)
2. ダクテュロスコプス科 (Dactyloscopidae)
3. イソギンポ科 (Blenniidae)
4. アサヒギンポ科 (Clinidae)
5. ラブリソムス科 (Labrisomidae)
6. コケギンポ科 (Chaenopsidae)

近年行われたミトコンドリアDNAの解析により、ギンポ亜目の単系統性が支持されています。しかし、亜目内でどのグループが最も古い起源を持つかについては、研究者によって意見が分かれています。

各科の特徴

ヘビギンポ科: 熱帯域に広く分布し、体長6cm未満の小型種が多いです。雄と雌で色彩が異なる性的二形を示すことが多いです。背鰭が3つに分かれているのが特徴です。
ダクテュロスコプス科: 南北アメリカ大陸の熱帯から温帯域に分布し、砂底に体を埋めて生活する種類が多いです。眼が背中側にあり、突き出すことができます。
イソギンポ科: 三大洋の熱帯・亜[[熱帯]]海域に広く分布し、淡水域に生息する種もいます。吻が前に出ていない種類が多く、顎の歯は櫛状で犬歯を備えます。
アサヒギンポ科: 世界中の温帯域を中心に分布し、頭部の皮弁がうなじ以外の部位にあるのが特徴です。背鰭は一つで基底が長く、棘条の数が軟条よりも多いです。
ラブリソムス科: 大西洋・太平洋の熱帯域に多く分布し、吻・眼上・うなじに皮弁を持つ種類が多いです。
コケギンポ科: 南北アメリカ大陸の温帯海域に多く分布し、体は細長く側扁しています。鱗と側線を持ちません。コケギンポ属は日本近海にも分布しています。

ギンポと名のつく魚について

「ギンポ」という名前を持つ魚は、ギンポ亜目以外にも多く存在します。例えば、ニシキギンポ科のギンポ Pholis nebulosa は、ゲンゲ亜目に属しており、ギンポ亜目の魚ではありません。名前が似ていても、分類学的には異なるグループに属する魚がいることに注意が必要です。

まとめ

ギンポ亜目は、多様な形態と生態を持つ魅力的な魚のグループです。観賞魚としての人気も高く、その美しい姿は多くの人々を魅了しています。この記事を通して、ギンポ亜目に対する理解が深まれば幸いです。

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