クイズ!家族ドレミファ大賞

クイズ！家族ドレミファ大賞

1976年4月4日から同年9月26日までの半年間、フジテレビ系列で日曜正午にオンエアされた音楽クイズ番組。毎回、一般から募集した親子3人一組のチームが5組登場し、音楽をテーマにした様々なクイズに挑戦しました。単なるクイズ番組にとどまらず、人気歌手による歌唱コーナーも設けられるなど、音楽番組としての側面も併せ持っていたのが特徴です。全26回が放送されました。

番組は当初、文字通り「親子」での参加を前面に出していましたが、放送期間中には様々な企画回も挟まれ、これが後の人気番組『クイズ・ドレミファドン!』へと発展していく足がかりとなりました。

出演者

司会: 柏村武昭、水沢アキ
アシスタント: 加藤真理、友川真喜子
演奏: スマイリー小原とスカイライナーズ
その他: すぎやまこういち（音楽担当）、光子館（マスコットパペットの操演）

オープニング演出

番組冒頭、司会の柏村武昭と水沢アキが、チャンピオン大会の優勝賞品である三菱自動車製の車に乗って都内をドライブする映像が流れます。その後、テーマソングをバックに、司会者二人の軽快な口上から番組がスタートしました。

柏村「やってきましたー！」
水沢「のってきましたー！」
柏村「音楽いっぱい、夢いっぱい！」
水沢「楽しいクイズでこんにちは！」
柏村「家族みんなでクイズを当てて」
水沢「ニッコリもらおう大賞品！」
柏村「さあ、今日のゲストを紹介しましょう！」
（ゲスト紹介）
柏村「そして司会は、僕、柏村武昭と」
水沢「水沢アキで」
柏村&水沢「がんばります！」
柏村「これから始まる話題のクイズ番組は、そうです！ビッグなこの番組、クイズ！」
柏村&水沢「家族」
柏村・水沢・ゲスト・観客「ドレミファ大賞!!」

この口上は、番組の明るく楽しい雰囲気を象徴していました。

クイズ進行とルール

クイズは、一部を除き早押し形式で実施されました。正解したチームには得点が加算されますが、不正解や誤答の場合は減点となり、解答者はペナルティとしてバッテンマスクを着けて後部席へ移動させられ、そのコーナー中は解答権を失います。

第1コーナーから第3コーナー終了時点で最も高得点を挙げたチームは「コーナーチャンピオン」として表彰され、小型カップと、代表者がサイコロを振って決まる賞品が贈られました。同点の場合は、曲名当てクイズで正解したチームが優先されました。

最終コーナー「イントロクイズ」終了時点で総合得点が最も高かったチームが、栄えある「家族ドレミファ大賞」に輝きました。『見よ、勇者は帰る』のファンファーレと共に、特製トロフィーとステレオが進呈されました。惜しくも優勝を逃したチームにも、参加賞として週替わりの玩具と電気オーブンレンジが贈られました。さらに、事前に優勝チームを予想していた観客にも、応援賞品としてディズニー人形がプレゼントされました。

番組では、家族ドレミファ大賞受賞チームが5組出た時点で、その5組による「グランドチャンピオン大会」を開催。通常回と同様のルールで行われ、見事優勝したチームには、優勝賞品として乗用車「三菱・ギャランΣ1600カスタム」が贈られました。

番組のエンディング近くには、音楽担当のすぎやまこういちと司会の水沢アキによる「すぎやまこういちプレゼントクイズ」コーナーがありました。二人が音楽に関する話題を交わした後、流れる曲を歌っている歌手を視聴者に当ててもらうクイズで、正解者には抽選で、その放送回で参加者が獲得しなかった商品がプレゼントされました。番組構成の都合上、エンディングでは出場者席や司会の柏村武昭の姿は映されず、時間的な制約がうかがえる演出でした。

主なクイズコーナー

各コーナー開始時には、八分音符をモチーフにした番組キャラクターのパペットが登場し、「♪わかるかな、わかるかな、○○○○わかるかな～」という歌と共に始まります（一部コーナーを除く）。この演出は、『ドレミファドン!』初期にも引き継がれました。

5曲連続クイズ: 5曲続けて流れる楽曲を全て正しく答えるクイズ。1曲でも間違えると不正解となります。
パクパククイズ: 音声がカットされた歌手の歌唱VTRを見て、口の動きやジェスチャーから曲名を推測して当てるクイズ。
ゲストクイズ: 登場したゲスト歌手自身が、自身の楽曲などに関連するクイズを出題するコーナー。後の『ドレミファドン!』のようなコント形式ではありませんでした。
逆さ歌クイズ: ゲストの一人が歌を逆再生した状態で披露。それを聞いて原曲を当てるクイズです。制限時間内に正解できなかった場合、逆さ歌を逆回転（つまり順再生）してヒントが出されましたが、その場合の得点は下がりました。
親子クイズ: このコーナーのみ、後の『ドレミファドン!』には継承されませんでした。前半の「チビッコクイズ」では、子供が長靴を履いて、流れる曲に関連する品物を山の中から探し出す競争。後半の「ユレユレクイズ」では、親が番組キャラクターの描かれた袋に入ったボールを首から下げ、体を揺すって、曲に関連する文字が書かれたボールを3つ取り出すクイズでした。
イントロクイズ: 番組を締めくくる最終コーナー。楽曲のイントロを聞いて曲名を当てる、おなじみの形式です。『ドレミファドン!』とは異なり、出題数が8問と固定されており、制限時間のブザーはありませんでした。得点は3点。正解時にはその曲のレコードジャケットが表示され、ゲストの楽曲は最後の問題として出題されることが多かったです。

後継番組へのリニューアル

1976年9月26日の放送をもって、このタイトルでの放送は終了。翌週からは『クイズ・ドレミファドン!』としてリニューアルが図られました。これに伴い、出場形式は親子3人チームからペアに変更され、司会も柏村武昭と水沢アキから高島忠夫と明石直子へと引き継がれました。

興味深いことに、『クイズ・ドレミファドン!』の最終回で放送された総集編では、本番組時代の映像は一切使用されず、初代司会者である柏村・水沢両名も出演しませんでした。これは、後継番組との間に何らかの区切りがあったことを示唆しています。

テーマ曲

「クイズ！家族ドレミファ大賞のテーマ」
作詞：福地美穂子 / 作曲：すぎやまこういち / 歌：アップルズ（EVE）

このテーマ曲は、『クイズ・ドレミファドン!』に改題リニューアルされた後も、歌詞の一部を変更しながら長年にわたり使用されました。2004年に発売されたコンピレーションアルバムには、『ドレミファドン！のテーマ』として、アップルズによる本番組時代のバージョンに加え、石川ひとみによる『ドレミファドン!』時代のバージョンも収録されています。

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