クインシー (CA-39)

クインシー (USS Quincy, CA-39)

クインシー (USS Quincy, CA-39) は、アメリカ海軍の重巡洋艦であり、ニューオーリンズ級重巡洋艦の6番艦です。この艦の名前はマサチューセッツ州のクインシーに由来していますが、クインシーを名乗る艦はこれが2隻目にあたります。

艦歴の概要

クインシーは、1933年11月15日にマサチューセッツ州クインシーのベスレヘム・スチール社により起工され、1935年6月19日にヘンリー・S・モーガン夫人によって命名され進水しました。艦は1936年6月9日にボストンで艦長ウィリアム・フォークナー・アムスデン大佐の指揮の下、正式に就役しました。

就役後、クインシーは大西洋艦隊第8巡洋戦隊に配属され、1936年7月には地中海に派遣されました。この任務はスペイン内戦におけるアメリカの権益を保護するもので、クインシーは490名の難民を救出し、フランスへと送り届ける任務を果たしました。その後、艦はボストン海軍工廠に戻り、さらに改修が行われました。

1937年4月には太平洋に向けて出航し、真珠湾に到着。ここでの演習や作戦に参加し、さらに南米への親善訪問を経て、第二次世界大戦の勃発に伴い北大西洋での偵察巡航を行いました。1941年にはアイスランドでの船団護衛任務にも従事し、ヨーロッパでの戦闘が激化する中、大西洋艦隊の演習にも参加しました。

第二次世界大戦における活動

1942年になると、クインシーはガダルカナル島への攻撃に関与し、南太平洋方面の戦闘に突入します。この艦は司令官ノーマン・スコット少将の旗艦としてクインシーは南太平洋に出撃し、敵の設備を破壊するための艦砲射撃を行いました。8月8日、第一次ソロモン海戦でクインシーは日本艦隊と遭遇し、緊迫した戦闘に突入します。

この戦闘では、クインシーは友軍の重巡洋艦ヴィンセンスやアストリアと共に敵艦隊を迎撃しましたが、状況は厳しく、特に敵からの一斉射撃を受けることとなります。クインシーは敵の艦砲や魚雷攻撃を受けてしまい、さらに艦載機が爆発するという危機的な状況に直面しました。艦はその後、逃げる中で攻撃を受け続け、ついには缶室に魚雷が命中し、重大な損傷を被ります。

クインシーは反撃を試みるも、ついに致命的な損傷を受け、左舷側に大きく傾いて沈没しました。この戦闘では艦長を含む370名が戦死し、167名が負傷しました。現在、クインシーの沈没地点はアイアンボトム・サウンドとして知られています。クインシーはその功績から1個の従軍星章を受章し、艦の名はボルチモア級重巡洋艦の1隻に引き継がれることとなります。

結論

クインシーは歴史の中で重要な役割を果たした艦であり、その艦歴や戦功は今も多くの人々によって語り継がれています。艦が沈んだ海域は二度と浮上することはないものの、彼らの勇敢な行動は今後も記憶に残り続けるでしょう。

もう一度検索