クイーンコーラルクロス

クイーンコーラルクロスについて

クイーンコーラルクロスは、マリックスラインが運航するフェリーです。老朽化したクイーンコーラル8の代替として建造され、鹿児島港と那覇港を結ぶ重要な航路を担っています。船名の「CROSS」には、"Comfortability, Reliability, Originality, Safety, Seven destinations"の頭文字を取り、「快適性、信頼性、創造性、安全性、そして7つの寄港地」という意味が込められています。

2021年11月17日から18日にかけて試験運航を行い、同年11月20日から定期就航を開始しました。このフェリーは、鹿児島新港を出発し、奄美大島、徳之島、沖永良部島、与論島、本部港を経由して那覇港へと至る、複数の島々を結ぶ重要な交通手段となっています。

船内デザイン

船内デザインは笠井統太氏が担当し、「Origin（原点・起点）」「Odyssey（知的探求）」「Overture（序曲）」という3つのテーマを掲げています。機能美を追求し、明快な配置と動線を意識した設計が特徴です。4階は2等室を中心に、3階には上等客室やパブリックスペースが配置されています。

4階

2等寝台（10室）
2等室（24室）
シャワー室
メイクルーム
ビューシート

3階

特等室（3名×2室、通常2名、ソファベッドにより3名対応）
1等室（1名×6室、2名×4室、コネクティングルーム可能2名×2室）
2等寝台（通常5室、バリアフリー対応2室）
2等室（通常4室、バリアフリー対応4室）
アトリウム：青を基調とした円形の吹き抜け
案内所
売店
レストラン
シャワー室
ペットルーム
キッズコーナー
メイクルーム

航路

クイーンコーラルクロスは、以下の港を経由して運航しています。

鹿児島港（新港）
奄美大島（名瀬港新港地区）
徳之島（亀徳港）
沖永良部島（和泊港）
与論島（与論港）
本部港
那覇港（那覇ふ頭）

事故とトラブル

2024年には、クイーンコーラルクロスは複数回のトラブルに見舞われました。

1月8日: 那覇発鹿児島行きの便で、沖永良部島和泊港入港時にエンジントラブルが発生し、消波ブロックに衝突しました。幸い乗客、乗員、岸壁作業員に怪我はありませんでしたが、この事故により区間運航が打ち切りとなりました。海保の調査で船体の損傷が確認され、修理と運輸支局の検査を終えて、1月18日に運航を再開しました。
5月21日: 鹿児島発那覇行きの便で、錦江湾内でエンジントラブルが発生し、出発港へ引き返して修理を行い、約3時間半遅れで運航を再開しました。
9月12日: 定期点検中にプロペラの不具合が発見され、予定を前倒ししてドック入りとなりました。自力航行ができなかったため、作業船による曳航で広島県の建造元工場まで回航されました。

これらのトラブルにより、クイーンコーラルクロスは一時的に運航を休止することとなりましたが、現在は復旧し、再び鹿児島と沖縄を結ぶ重要な足として活躍しています。

外部リンク

クイーンコーラルクロス 船内案内
* MarineTraffic.com - QUEEN CORAL CROSS - 自動船舶識別装置（AIS）による現在位置表示（MarineTraffic）

もう一度検索